静岡銀行、豪雨等の自然災害増による企業活動の停止リスク等に対応するため、国内銀行初の「水害リスク対応型コミットメントライン」の取扱を開始。3億円以上(RIEF)
2019-04-01 08:01:20
静岡銀行は、豪雨等で大規模な水害被害に直面した企業向けに、対策資金を供給する「水害リスク対応型コミットメントライン」を設定した。国内銀行で洪水対策を目的とした資金供給サービスを提供するのは初めてという。企業のBCP(事業継続計画)を資金面から支援する気候変動への適応(Adaptation)ファイナンスといえる。
近年、全国的に多発する豪雨等による大規模災害が発生すると、企業の事業継続に支障をきたす不測の 事態が予想される。新商品は、こうしたリスクをカバーする。あらかじめ設定した金額を上限と して機動的に融資を行うコミットメントラインを設定することで、災害時の円滑な資金調達を目指す。
コミットメントラインの設定に際しては、当該企業に対して、専門のノウハウを有した調査会社(リスクサーベイ企業)が、財務インパクトを含む水害リス ク分析(リスクサーベイ)を実施する。
同分析で、災害発生の前に企業が抱える水害時の影響を事前に把握することが可能になる。企業にとってはファイナンス確保と同時に、事前にリスク削減対策に取り組むインセンティブも生じる。
提供するコミットメントラインは平常時にも借入が可能。水害発生時には優遇金利を適用する仕組みとする。対象企業は、原則として、ハザードマップ(洪水浸水想定区域図表)で、浸水が想定される区 域に事業所等を有する企業とする。
各企業の融資設定枠は、水害時対応必要資金をもとに企業ごとに個別に算出(3億円以上)する。融資期間は原則3年まで。
企業が抱える洪水リスク対応としては、保険に加入する方法もある。ただ、保険の場合、被害額の査定に時間を要するケースがある。コミットメントラインの場合は、事前にリスク把握を行えるので、被害時に迅速に復興のための資金供給を得られるメリットがある。