HOME |みずほ銀行、企業の温暖化対策を5段階評価して融資する「みずほエコファイナンス」取り扱いへ。みずほ情報総研が評価手法開発(RIEF) |

みずほ銀行、企業の温暖化対策を5段階評価して融資する「みずほエコファイナンス」取り扱いへ。みずほ情報総研が評価手法開発(RIEF)

2019-06-28 11:53:47

mizuhoキャプチャ

 

 みずほ銀行は、みずほ情報総研と連携、企業の温暖化関連の情報開示について、TCFDへの賛同表明などを、5段階で評価し、開示レベルの高い企業に対して融資する「みずほエコファイナンス」を開始する。顧客企業は、同融資対象となることで「温暖化対応の進んだ企業」としての評価を市場から受けることになる。第一弾としてサッポロホールディングスを評価し、融資する。

 

 評価の手法は、みずほ情報総研がこれまで官公庁や民間企業向けのリサーチやコンサルティング業務を通じて培ってきた知見に基づいて開発した。

 

 主な指標は、①TCFDへの賛同表明②S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数(カーボン情報の開示ステータス)③S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数 (十分位数分類)④SBT認定/コミット状況⑤温室効果ガスに関する環境長期ビジョン策定内容⑥温室効果ガス排出量(Scope 1 + 2)⑦温室効果ガス排出量(Scope 3)。

 

 これらの指標のほか、社会情勢や業界特性等の影響を加味し、対象企業の情報開示への取り組みをスコア化する。スコアの点数に応じてAA、 A、 B、 C、 D の5 段階に区分。このうち上位のAAとAの評価企業に融資する。融資の資金使途は問わない。融資には金利優遇等はないが、企業は「温暖化優良企業」の評価を投資家等にアピールできる。

 

 評価項目はこれ以外に、企業等が注力する環境技術の活用状況や環境配慮型製品・サービスの提供状況、非財務情報に関する虚偽報告のトラブル等が起きた場合についても、必要に応じてスコアに反映させるという。将来的には、気候変動以外の環境側面に関する指標内容等も追加する、としている。

 

 みずほ情報総研は、対象企業のモニタリングを通じ、企業のスコア改善や維持に向けた助言等も実施する。

 

 みずほ銀行は「気候変動は、さまざまな経済・社会的課題とも密接に結びついており、中長期的な視 点での対応が必要な重要課題。今回の商品は、顧客の気候変動への取り組みを評価し、積極的に取り組む企業に対し、資金調達や助言を通じてさらなる取り組みを支援するもの」と位置付けている。

 

 みずほ自身についても、「サステナビリティへの取り組みについて、みずほの戦略との一体性を高め、グル ープ全体で推進する態勢を強化。脱炭素化を推進する事業への資金調達支援をはじめ、多様なソリューションの提供に積極的に取り組んでいく」と宣言している。

 

 企業の環境取り組みを評価して融資に結びつける商品化では、三井住友銀行が日本総合研究所と連携して先行、実施している。

https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20190628release_jp.pdf