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三菱UFJフィナンシャル・グループ、米ニューヨーク州監督当局(DFS)との係争で和解、和解金3300万㌦支払い。OCCへの監督機関の変更認められる(RIEF)

2019-07-03 13:31:43

MUFG13キャプチャ

 

 三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)は、傘下の三菱 UFJ 銀行が、米国市場での監督機関変更問題で係争していたニューヨーク州金融サービス局(DFS)との間で、和解が成立したと公表した。MUFGは和解金としてDFSに3300万㌦(約36億3000万円)を支払った。

 

 MUFGによると、今回の和解によって、「DFS は、これまでの法廷でのすべての主張を取り下げ、これまでおよび将来に わたって三菱 UFJ 銀行が有する銀行免許に対し、今後一切の異議を唱えないことになった」としている。

 

 これを受けて、同行側も法廷での主張を取り下げた。今後、三菱 UFJ 銀行は、米通貨監督庁(OCC)監督下の銀行として正式に位置付けられる。

 

DFSのサイト
DFSのサイト

 

 DFSのリンダ・レースウェル監督責任者も「DFS は同行と法廷闘争の終了で適切な合意ができたことを評価している。この合意は、わが国の銀行システムの強化に貢献し、さらに金融システムと消費者を擁護するニューヨーク当局の権威を再確認するものだ」とのコメントを出した。https://www.dfs.ny.gov/reports_and_publications/press_releases/pr1906241

 

 三菱UFJ銀行は、旧三菱東京UFJ銀行時代の2013、14年、当時の監督機関だったDFSから、ニューヨーク支店のビジネスで両年に、イランやミャンマーなど米国の制裁対象国に絡む取引を巡り、違反があったとして、総額5億6500万㌦の罰金支払いを課された経緯がある。

 

 その後、MUFGは、ニューヨーク支店だけでなく、シカゴ、ロサンゼルス州を含む4州の拠点を、それまでの州ごとの規制対応から、2018年11月に連邦法に基づくOCCの監督下に移行させた。http://rief-jp.org/ct1/84782

 

 これに対してニューヨーク州のDFSは、監督権限維持を主張、2018年11月、MUFGはDFSを提訴して法廷で争っていた。https://jp.reuters.com/article/usa-mufg-regulators-idJPKBN1D80GE

 

 その間、米ニューヨークタイムズ紙が、MUFGが北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関連して、17年後半に米検察当局の調査を受けていたと、報じるなど、混乱が続いていた。

 

 一方、OCCは今年2月、三菱UFJ銀行のニューヨーク等の3支店に対し、米国の銀行秘密法に基づくマネーロンダリング(資金洗浄)防止に関する法令遵守・リスク管理等の内部管理態勢等が不十分であると指摘し、3カ月以内に改善報告を命じていた。http://rief-jp.org/ct1/87350

 

 今回のDFSとの和解を受け、MUFGは「今般、裁判の長期化等による影響を総合的に勘案した結果、3300 万㌦を支払うことで和解した。三菱UFJ銀行は、今後もOCCの監督の下、適切な業務運営を行っていく」としている。

https://www.bk.mufg.jp/news/news2019/pdf/news0625.pdf

https://www.dfs.ny.gov/reports_and_publications/press_releases/pr1906241

https://www.dfs.ny.gov/system/files/documents/2019/06/ea190624_mufg.pdf