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三菱UFJ銀行、国内初のサステナビリティ・リンク・ローン、日本郵船に対して500億円を協調融資で提供(RIEF)

2019-11-29 10:47:36

NYK1キャプチャ

 

 三菱UFJ銀行は国内で初となるサステナビリティ・リンク・ローンを、日本郵船に対して供給する。同ローンは、融資先企業のESG関連の目標達成を条件として優遇金利で融資するもので、条件が達成できないと、金利の優遇等は受けられない仕組み。日本郵船への融資は同行が主幹事となる協調融資で総額500億円。

 

 協調融資には、三菱UFJ銀のほか、みずほ銀行、三井住友銀行、農林中央金庫の各金融機関が参加した。500億円はコミットメントラインとして供給する。サステナビリティ目標とのリンクのため「サステナビリティ・パフォーマンスターゲット(SPT)」として、CDPの気候変動に関する開示スコアで高ランクの維持を設定した。

 

 日本郵船は、「CDP2018気候変動」調査で、全世界対象社約7000社のうちで、最高評価のAランクの評価を受けた139社に含まれている。同ランクの評価を受けた日本企業は20社。このランク維持が目標で、ランクが下がると優遇金利の提供は受けられなくなる。

 

 サステナビリティ・リンク・ローンは欧州市場で普及が進んでいる。グリーンボンド、グリーンローン等は、資金の使途先を特定の事業に照準を当ててファイナンスするが、サステナビリティ・リンク・ローンは企業のESG対応を評価するため、資金使途は企業の一般的な用途に使うことができる。

 

 同ローンについては、国際的な金融機関の団体であるLoan Market Association(LMA)が今年春に「サステナビリティ・リンク・ローン原則(SLLP)」を公表している。SLLPは、①借り手のCSR戦略との関係②サステナビリティを評価する目標の設定③レポーティング④レビュー、の4条件を定めている。

 

今回の三菱UFJ銀の日本郵船向け融資については、日本格付研究所がSLLPに沿った内容であるとして第三者認証を付与したとしている。

 

https://www.nyk.com/news/2019/20191129_01.html