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原発事故による人口減 福島、経済効果1091億円減 (河北新報)

2012-05-05 17:42:43

東邦銀行系シンクタンク「とうほう地域総合研究所」(福島市)は、2011年3~12月の10カ月間に、福島第1原発事故による福島県の人口減が県内の企業活動の経済効果を1091億円分減少させた、との試算をまとめた。  減額の内訳は人口減で消費支出が減る直接効果が441億円、消費の減退で県内企業の生産が影響を受ける第1次波及効果が528億円、それらの企業に原材料を供給する別の企業などが影響を受ける第2次波及効果が122億円。

産業部門別では、不動産が311億円と最も大きく、個人向けサービス186億円、商業107億円、金融・保険88億円、医療・保健・社会保障・介護72億円と続いた。企業活動の経済効果の減少を2011年の予想名目県内総生産額に当てはめると、1.4%引き下げる負の経済効果をもたらした。  企業活動の低迷は経営者層を含む就業者数にも負の影響を与え、8803人分の雇用喪失に相当するとした。

試算は政府や県の統計を基に、県内の産業構造や家計支出構成が震災前と変わらず、人口だけが減ったと仮定した。11年12月1日現在の県推計人口(198万5024人)を用い、震災前の3月1日現在と比べた減少幅を3万9377人と設定した。

和田賢一研究員は「母子や若年層の流出は今後も人口減を加速させかねない。県外避難者が戻りやすくなるよう、除染の徹底や企業活動の推進が求められる」と話している。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120505t62018.htm