HOME10.電力・エネルギー |初の債権買い取り 福島産業復興機構が浜通りの水産物業者  (福島民報) |

初の債権買い取り 福島産業復興機構が浜通りの水産物業者  (福島民報)

2012-05-09 11:15:28

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による被災企業の事業再開を支援する「福島産業復興機構」は8日までに、設立から5カ月目で初の債権買い取りを成立させた。対象は浜通り地方の水産物小売・卸売業者の被災前の債権で、福島県内の金融機関から買い取り、同業者の再建を後押しする。福島県が8日、発表した。
 福島県によると、支援対象の事業所は従業員約20人で、津波により設備が全壊した。昨年秋に一部の事業を始めたが、本格的な再開に向け新規の設備投資などの資金調達が必要となっていた。
 

機構は事業所による債権の元利返済を5~10年程度猶予し、資金繰り改善を支援する。今後の事業所運営に必要な資金は金融機関が新たに融資する。

 福島県や相談窓口の産業復興相談センターによると、センターが発足した昨年11月末から4月末までに事業所から169件の相談がある。
 

機構は福島県の他、宮城、岩手、茨城など被災各県で設立され、債権買い取りが進んでいるが、福島県は買い取りゼロが続いていた。県経営金融課は、原発事故に伴う損害賠償で、企業への支払額が決まらない限り、買い取り価格を判断しにくいことや、避難区域内の事業所などの再開の有無を見極めにくいことが要因としている。
 今後も債権買い取りの審査を進めるが、具体的な見通しは立っていない。

http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4107&blockId=9969436&newsMode=article