HOME10.電力・エネルギー |関西電力、2022年度から京都・舞鶴発電所で、石炭火力から排出されるCO2の分離・回収(CCS)技術の実証実験開始。川崎重工、RITEと共同で(RIEF) |

関西電力、2022年度から京都・舞鶴発電所で、石炭火力から排出されるCO2の分離・回収(CCS)技術の実証実験開始。川崎重工、RITEと共同で(RIEF)

2020-09-28 17:28:37

kanden001キャプチャ

 

 関西電力は川崎重工、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)と共同で、石炭火力発電所から排出されるCO2を分離回収するCCS技術の実証実験を、2022年度から京都・舞鶴発電所で実施すると発表した。同発電所内に、日量40㌧のCO2回収が可能なパイロットスケール試験設備を建設、CCSの分離・回収技術の実用化に向けた検証を展開する。

 

 (写真は、京都・舞鶴火力発電所とCCS実証実験設備の設置予定場所)

 

 川崎重工とRITEは、これまでも2015年度から経済産業省の委託事業として、石炭火力発電所から排出されるCO2を分離・回収するための固体吸収材とKCC(Kawasaki CO2 Capture)移動層システムの開発、改良を実施している。同事業に関連して関電も2016年以降、舞鶴発電所内での固体吸収材の耐久性評価や、経済性評価などに協力してきた。

 

 そうした実績を踏まえて、今回、実験をスケールアップさせるため、舞鶴発電所内にパイロットスケールの試験設備を建設し、共同での実証実験を展開することになった。関電によると、今回、実証に用いる固体吸収法は従来の技術と比べて、CO2分離に要するエネルギーを大幅に低減できる可能性があるとしている。

 

 CCSの最大の課題はコスト克服である。エネルギー消費の節減が可能になると、コストも低下することから、同社では次世代の分離・回収技術として期待できる、としていうる。固体吸収法を用いた火力発電所でのCCSの実証試験は、今回が国内で初めての取り組みになる。

 

 実証実験を行う舞鶴発電所は、発電量90万kW級の石炭火力発電2基を抱えている。川崎重工とRITEの事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「先進的二酸化炭素固体吸収材の石炭燃焼排ガス適用性研究」に採択されている。

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2020/0924_1j.html