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島津製作所、バイオ燃料の品質安定を阻害する「含酸素成分」の特定分析手法開発で、仏トタル等と連携。国際標準の分析手法を2年以内に開発を目指す(RIEF)

2021-01-20 22:51:45

shimazu001キャプチャ

 

 島津製作所は19日、仏石油メジャーのTOTAL等と共同で、バイオ燃料の品質安定性を阻害する「含酸素成分」を効率よく特定する分析システム開発に取り組むと公表した。「脱炭素燃料」として期待されるバイオ燃料だが、その中に含まれる、有機酸やアルデヒド、フェノール、さらに未知の含酸素成分が課題となっている。島津らはこれらの成分特定をする分析手法を2年以内に確定し、業界標準とすることを目指す。

 

 島津が連携するのは、仏トタルのほか、仏ポー大学、スペインのオビエド大学の3機関。3機関は、ガスクロマトグラフで分離した化合物を元素レベルに分解し、質量分析計(MS)などで検出する革新的な技術で特許を保有している。島津はガスクロマトグラフィー技術で先行することから、4者の技術を融合することで、2年以内に、バイオ燃料の含酸素成分の特定に応用できる分析装置を開発する。同分析手法は、数十分の短時間で行えることを想定している。

 

 政府が提唱する「2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロ」を達成するには、バイオエタノールやバイオディーゼルなどのCO2排出量が少ない燃料を普及が欠かせない。しかし、バイオ燃料に含まれる含酸素成分のうち、成分が特定できれば除去は難しくないが、バイオ燃料には未知の含酸素成分が多数含まれている。このため、効率的な成分特定が技術的に難しく、現状では業界標準となる分析手法が確立されていない。

 

 島津によると、トタル等の特許技術は、「数百本のピーク(測定結果のグラフで成分の存在を示す波形)を一本ずつ吟味していく」ために、従来は数時間かかっていたバイオ燃料の含酸素成分の特定を、数十分に短縮できるという。また、作業者の技術に関わらず安定した測定結果を得られる。

 

 島津の分析計測事業部事業部長の丸山秀三氏は「当社が欧州メーカーと提携して、ガスクロマトグラフ質量分析計の国産化に乗り出してから50年が経つ。今回、再び、欧州の著名な大学や企業と組んで、環境に貢献できる技術の開発に取り組めることは大変光栄」と期待をこめている。

 

https://www.shimadzu.co.jp/news/press/am33nw7dq3umz4xb.html