一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

国の原子力委員会委員の尾本彰東工大特任教授は１４日、参院環境委員会で、今年３月まで務めていた東京電力顧問として同社から受け取った顧問料の返還について「そういうことは今考えていません」と述べ、返金の意思がないことを明らかにした。みんなの党の水野賢一参院議員への答弁。

　東電は顧問料の額を明らかにしていない。

　原子力委などによると、尾本氏は東電の原子力部門での経験が長く、２００９年１１月に東電顧問に就き、１０年１月には国の原子力委委員（非常勤）に就任した。東電福島第１原発事故後も顧問にとどまり、同社が経営合理化を理由に顧問制度を廃止した今年３月に退いた。

　尾本氏は顧問を辞めた理由について「原発事故を起こした会社から顧問料をもらうことには非常にじくじたる思いがあった」とした上で「（東電が）経営的にも非常に厳しい中で顧問料をもらい続けることに心苦しいところがあったので自発的に辞めた」と説明した。

　電力会社から顧問料を受け取りながら原子力委員を務めていたことは不適切ではないかとの指摘に、細野豪志原発事故担当相は「そういう意見があることは理解できるが、原子力委員会委員は国会同意人事。この委員が良い悪いとコメントする立場にない」と述べた。

 

http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2012061401001918