HOME |東北電力、秋田・能代で、既存の風力発電設備の建て替え工事を公開。旧式の24基を最新式7基に置き換え。1基当たり3倍の発電量。送電線の容量制約で、総発電量は据え置き(RIEF) |

東北電力、秋田・能代で、既存の風力発電設備の建て替え工事を公開。旧式の24基を最新式7基に置き換え。1基当たり3倍の発電量。送電線の容量制約で、総発電量は据え置き(RIEF)

2021-06-23 22:54:27

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 各紙の報道によると、東北電力傘下の東北自然エネルギー(仙台市)は23日、秋田県能代市にある能代風力発電所の建て替え工事の状況を報道陣に公開した。運転開始から約20年を経過したこれまでの風力発電設備24基を、最新型7基に集約する。昨年10月から工事を始めている。今年12月の稼働再開を目指している。風車が10基以上ある風力発電所での建て替えは北海道での事例に次いで国内2例目という。

 

 建て替えの理由は、既存の設備が2001年11月の運転開始で、約20年経過による老朽化に伴って稼働率が低下していることと、最新型に切り替えることで発電効率を高めるため。建て替え費用は約60億円。

 

 日本海に臨む海岸線約3kmにわたって、ドイツ製(ENERCON機)24基が配置されてきた。1基の発電容量は600kW。これを3倍超の2300kWの最新鋭機に置き換える。ただ新たに建て替えるのは7基に限ることから、総発電量は現行と同じ約1万4400kWを維持する。これは送電線の容量を超えないようにするためという。

 

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 新鋭機はブレード(羽根)の直径が従来の約2倍に当たる82m。支柱の高さ46mから78mへと大型化し、地上からの最高到達点は68mから119mに伸びる。大型化するとともに、ブレードをギザギザの形状にすることで、風の抵抗を抑えて騒音を防ぐ効果も加えている。これは、ふくろうの羽からヒントを得た技術という。

 

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 将来、送電線能力を増強すれば、全体の発電量も3倍増は可能。「2050年ネットゼロ」に向けて、再エネ電力の確保が課題になってくるだけに、既存の風力発電だけでなく、太陽光発電等も能力増強のための建て替え、新型機への更新等が求められるケースが増えそうだ。

 

 建て替えに伴って、廃棄される旧来の発電機や、地盤のコンクリート廃材等の適正処理も求められる。

https://www.sakigake.jp/news/article/20210623AK0023/

https://www.tousec.co.jp/wind.html