HOME10.電力・エネルギー |伊藤忠、東京センチュリーと連携し、サブスク(定額課金)方式で、家庭用蓄電池や太陽光パネルを提供へ。月1万円台での提供で、若年層の再エネ電力需要を掘り起こす(各紙) |

伊藤忠、東京センチュリーと連携し、サブスク(定額課金)方式で、家庭用蓄電池や太陽光パネルを提供へ。月1万円台での提供で、若年層の再エネ電力需要を掘り起こす(各紙)

2021-08-12 00:31:52

itochuキャプチャ

 

 伊藤忠は12日、リース会社の東京センチュリーと連携して、蓄電池や太陽光パネルなどをサブスクリプション(定額課金)方式で提供する事業を始めると発表した。両社でサブスクサービスを提供する新会社「IBeeT」を設立した。まず家庭用蓄電池を初期費用を抑えた月1万円台等で提供し、若年層等の太陽光発電・蓄電池需要を掘り起こす計画という。

 

 (写真は、伊藤忠が「サブスク」方式で販売を開始する家庭用蓄電池)

 

 伊藤忠は東京センチュリーに3割を出資しており、事業の主導権を握る。東京センチュリーは新会社で主にリース資産の管理ノウハウを提供する。

 

 サブスクは売り切りではなく、提供後も企業が機器の所有権をもつ。電力使用量などのデータを利用し易いメリットもある。利用者の同意を得た上で、収集したデータに基づいて、利用者間で相互に電力を融通するなどの新たな仕組みをつくる。

 

 第1弾として、家庭用蓄電池の提供を進める。伊藤忠がNFブロッサムテクノロジーズ社と共同で開発・販売する家庭用蓄電システム「スマートスター」のうち、新製品2種を9月から提供する。同蓄電池は全負荷型蓄電池で、停電時に全ての電気を利用できる利便性を有するほか、各家庭の電力需要パターンをAIで学習し、太陽光や深夜の安い電力を活用した蓄電池放充電の最適化が実現できる。6月末時点で累計販売台数4.5万台(約450MWh)を達成している。

 

 販売する「Smart Star L」ならびに「Smart Star 3」はいずれも、初期費用無料および月々定額で各家庭にリース提供する。契約期間中の定期メンテナンスサービスのほか、従来の10年の製品保証を5年延長する。またAIソフトウェア「GridShare」による最適充放電サービス等をパッケージで提供し、契約期間満了後には当該蓄電システムを各家庭に無償譲渡する。

 

 使用者にとってはコスト面も魅力だ。小型の蓄電池「スマートスターL」は通常購入すると税別293万円だが、サブスクの場合は初期費用が無料で、利用料金は月1万円台後半の見通し。

 

 従来、太陽光発電や蓄電池等を自宅に設置するにはコスト面で二の足を踏んできた若年層などを対象に販売を進め、新たな市場層を掘り起こす計画だ。伊藤忠は、2025年ごろには今回のサブスク型を含めて年間6万台規模に引き上げたいとしている。

 

 共同設立したIBeeTは来年度以降、家庭用の蓄電池に続いて、業務用蓄電池、太陽光パネル、電気自動車(EV)などについてもサブスク提供を拡大する予定という。

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2021/210812.html

https://www.tokyocentury.co.jp/jp/

l