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東レ、独シーメンス・エネルギーとの間で、「グリーン水素」事業で「戦略的パートナシップ」締結。東レ開発の電解質膜をシーメンスの水電解装置に供給(RIEF)

2021-09-06 23:43:52

toure001キャプチャ

 

  東レは独シーメンス・エナジーAGの日本法人との間で、再生可能エネルギー発電から水電解装置で水素を製造するグリーン水素事業で「戦略的パートナーシップ」の基本合意書を締結した。シーメンスが開発する固体高分子膜(PEM)型水電解装置に、東レ開発の「炭化水素系電解質膜」を供給し、国内最大級10MWクラスの電解装置の開発を進める。

 

 (写真は、東レの膜技術による水処理設備)

 

 両社は、経産省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業「再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造プロジェクト」に応募し、このほど採択された。同事業には両社のほか、山梨県企業局、東京電力など8者が共同で応募した。

 

 シーメンス・エナジーは水電解設備で世界的リーダーとして知られる。同社のPEM型大型水電解スタック・装置「Elyzer」のさらなる大型化に際して、東レ開発の「炭化水素系電解質膜」を導入することでグリーン水素の利活用分野の拡大を目指す。

 

 両社は得られたグリーン水素について、大規模発電等の電力用途にとどまらず、熱・輸送燃料・産業用途で活用するセクターカップリングによって、脱炭素・カーボンニュートラルな社会の実現、および地球環境の課題解決に貢献することを共通のビジョンとして掲げている。

 

 水素製造については、再エネ発電を水電解するグリーン水素方式のほか、天然ガス等の化石燃料発電から、発生するCO2をCCS技術で回収・貯留する「ブルー水素」方式等の開発競争が起きている。ブルー水素の場合、CCSが想定通りの稼働が可能かどうか、天然ガス燃焼時に発生するメタンの影響等が指摘されている。https://rief-jp.org/ct8/116932

 

 シーメンス・エナジーは、発電から送電、蓄電まで、エネルギーのバリューチェーンのほぼ全体をカバーしている。事業ポートフォリオには、ガスタービン、蒸気タービン、水素稼働のハイブリッド発電所、発電機や変圧器等を抱える。ポートフォリオの50%以上はすでに脱炭素化されており、再エネの世界的なマーケットリーダーとされる。

 

https://www.toray.co.jp/news/details/20210906111732.html

https://renews.biz/72060/siemens-energy-forms-japanese-green-hydrogen-team/