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トヨタ自動車、2030年までに電気自動車(EV)等の車載電池に1兆5000億円投資。電動車の一台当たり生産コスト半減も目指す(RIEF)

2021-09-07 17:38:36

toyotaキャプチャ

 

 トヨタ自動車は7日、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)等に搭載する車載電池を増産するため、2030年までに総額1兆5000億円を投資すると発表した。電動車一台当たりの生産コスト半減も目指す。生産工場の増強については、中国や米国などの主要地域での投資に重点を置き、国内ではパナソニックとの合弁会社が拠点になるとみられる。

 

 同日開いたオンライン説明会で、前田昌彦最高技術責任者(CTO)は「車両と電池の一体開発により、1台当たりコストを(現状より)50%以下の実現を目指す」と強調した。

 

 次世代の電気自動車の本命とされる「全固体電池車」については、「寿命が短い」という課題を指摘、固体電解質の材料開発に重点を置く姿勢を示した。同電池車の発売時期については「20年代前半」とする従来の目標を据え置いた。

 

toyota0022キャプチャ

 

 1兆5000億円の車載電池投資総額のうち、約1兆円を生産に充当し、残りを開発投資に振り向ける。同社の21年3月期の電池向け投資額800億円から、22年3月期には1600億円へと倍増させる。同期の設備投資額の総額1兆3500億円の11%に相当する。以後も30年まで、同程度のペースで電池投資を続ける。

 

 同社2030年のグローバルな販売目標として、HVを含む電動車を800万台、うちEVと燃料電池車(FCV)を200万台とする電動車戦略を5月に打ち出している。地域別の電動車比率は、30年に欧州40%、北米15%、日本10%としている。

 

 EVについては、2025年までに15車種を販売する。EV専用の新ブランド「TOYOTA bZ(トヨタ ビーズィー)」を立ち上げ、第1弾としてEVの多目的スポーツ車(SUV)「TOYOTA bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」を発売すると発表している。bZ4XはSUBARU(スバル)との共同開発で、日本と中国で生産して22年半ばまでに世界市場に投入する予定だ。

 

トヨタの「bZ4X」
トヨタの「bZ4X」

 

 bZ4Xの電池では、HVで培った技術を応用して、電池の材料やパック構造、制御システム等の劣化を抑制し、長寿命化を達成できる。また出力も従来型のニッケル水素電池より出力密度を倍増するとしている。

 

  EVを中心とする電動車のグローバル競争が激化しているが、最大のカギはEVやHVの軸になる電池の性能と安定調達とされる。トヨタはパナソニック等の連携を含め、トヨタ方式で「勝てる電池」の確保を目指すことになる。

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/35971587.html

https://global.toyota/pages/news/images/2021/09/battery/battery_01_jp.pdf