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韓国の大手企業15社、水素エネルギー開発活用で「水素企業協議体」発足。財閥等の枠を超えて連携。2030年までに約4兆円強を投資、水素供給ネットワークの強化目指す(RIEF)

2021-09-09 01:16:25

KoreaH2キャプチャ

 

 韓国の主要企業15社は8日、水素エネルギーの活用促進に乗り出す。水素企業協議体「コリアH2ビジネスサミット(水素委員会)」を発足させた。参加企業は2030年までに合計43兆4000億ウォン(約4兆1200億円)を投じて水素の生産や充塡等の供給網の構築を目指す。グローバルに脱炭素化が加速する中で、韓国産業界として水素エネルギー競争に参画し、インフラ輸出につなげる狙いという。現代自動車、SK、ポスコなどが参加する。

 

 同日、京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)の韓国国際展示場(KINTEX)開いた「サミット」で、各企業のCEOや代表が参加し、創立総会を開催した。

 

 協議体は現代自、SK、ポスコの3グループが主導して立ち上げた。3グループは3月に、水素経済化を推進してカーボンニュートラルを実現するには、各社が別々に事業に取り組むスタイルでは国際競争に乗り遅れるとして、韓国企業の連携強化で一致。その後、暁星(ヒョソン)を加えた4グループで、6月に水素企業協議体発足で合意。他の企業にも参加を呼び掛けていた。



 協議体の共同議長は現代自、SK、ポスコの3社が務め、最初の代表幹事は現代自が担当する。以後、代表幹事は輪番制とする。毎年9月に総会を開き、戦略等を検討する。傘下に技術、政策、グローバル協力の3分科会を置き、それぞれの分野での重点協力課題に取り組む。

 

 委員会への参加企業はオープンなことから、今後も増加するとみられ、協議体の規模は15社からさらに拡大するとみられている。この日の会合では、①会員企業間の水素事業協力推進②水素関連投資促進に向けたグローバル投資家招請インベストデーの開催③海外水素技術とパートナーの共同発掘と水素関連政策提案等を進めることで一致した。

 

 水素戦略は、米欧日等で積極的な取り組みが進んでいる。特に、再生可能エネルギー発電を軸とした「グリーン水素」の生産を経済ベースに乗せることが各国の課題となっている。これに対して韓国の場合、再エネ発電の生産余地が地理的に限られていることから、グリーン水素対応は遅れているとされる。

 

 このため協議体は、水素需給とインフラ領域の両面で企業間協力を強化し、バリューチェーンの強化と合わせて、総合的な水素戦略を推進し、国際競争力を強めていくことを目指す。

 

 参加企業は、現代自、SK、ポスコのほか、ロッテ、現代重工業グループ、斗山、暁星、ハンファグループ、GS、コーロンの大手・中堅10社に加え、「サミット」開催直前になって、建設事業を手掛けるサムスン物産など5社が加わった。韓国で財閥も含むこれほど多くの有力企業が特定の事業分野で連携するのは珍しいとされる。

 

 発足式では、現代自の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長が「個社の企業競争力をまとめ、水素産業の生態系の競争力を高める」と強調した。SKの崔泰源(チェ・テウォン)会長は「大規模投資を推進するためファンドを組成し、資金需要の大きいインフラ投資や海外事業を推し進める」と述べた。

 

https://japanese.joins.com/JArticle/282756?servcode=300§code=320