HOME |岩谷産業、オーストラリアでの「グリーン水素」プロジェクトに日本勢4社、豪州2社のチーム編成。2026年に日量100㌧以上の生産目指し、事業化調査実施へ(RIEF) |

岩谷産業、オーストラリアでの「グリーン水素」プロジェクトに日本勢4社、豪州2社のチーム編成。2026年に日量100㌧以上の生産目指し、事業化調査実施へ(RIEF)

2021-09-16 20:29:48

iwatani001キャプチャ

 

 岩谷産業は15日、オーストラリアで計画しているグリーン水素の開発・輸入事業で、川崎重工、関西電力、オーストラリア電力会社のスタンウェル(Stanwell)社等とともに、同国クィーンズランド州での事業化調査を実施するための覚書を締結したと発表した。2026年頃に日量100㌧規模以上の水素を製造、31年以降には同800㌧以上として日本等に輸出する計画だ。

 

 現在、日本の液化水素生産量は最大日量30㌧。今回の事業では、31年以降には日本全体の生産規模の約26倍を供給できることになる。 政府は2030年までに国内での水素供給量を年間42万㌧以上に増やす目標を掲げている。

 

 岩谷等の計画によると、開発地点はクィーンズランド州グラッドストン地区。日本側は3社に丸紅を加えた4社、豪側はスタンウェルのほか、APT Management Services Pty Ltd(APT)の2社。「Central Queensland Hydrogen Project」として、年間300日以上の晴天が続くグラッドストンでの太陽光発電等を中心にした再エネ発電で水素を製造する。https://rief-jp.org/ct8/108691

 

 太陽光等の発電は、スタンウェルがグラッドストン地区のアルドガ地域で保有する土地 (約235ha)を活用し、、水素液化・積荷拠点には、フィッシャーマンズランディングの土地(約100ha)の活用を検討中としている。製造した水素は日本への輸出だけでなく豪州国内での活用も目指す。

 

 水素の製造については、今回の様に、再エネ電力を電気分解して製造するグリーン水素のほかに、天然ガス等の化石燃料による電力から製造し、発生するCO2をCCUS等で回収・貯留する「ブルー水素」方式等の両方の開発が進んでいる。ブルー水素の場合、CO2吸収に活用するCCUSの機能性のほか、天然ガス燃焼で生じるメタン等の漏洩問題が指摘されている。

 

 グリーン水素の場合は、日本への輸出に際しての輸送船でのCO2排出削減の必要がある。豪州での製造・輸送のコストをどこまでていかさせることができるかが課題だ。岩谷等は豪州での大量生産により、生産コストの低下と、日本への安定供給を確保する狙いだ。今回の事業化調査は、半年ほどかけて実施し、技術や資金面の課題を検討する。

 

 事業に参加する各社の役割は、岩谷が、日本企業の取りまとめのほか、液化水素プラントの運営・ノウハウの提供、水素製造プラントの検討サポートを担当。川崎重工が水素液化・積荷基地、液化水素運搬船に関する技術・コスト面を検討する。関西電力は水素の利活用情報を提供し、丸紅は商用化モデルや現地での情報の取りまとめを担当。豪州側はスタンウェルが事業全体を取りまとめ、APAは各事業へのアドバイスを行う。

http://www.iwatani.co.jp/img/jpn/pdf/newsrelease/1408/20210915_news2.pdf