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独環境専門家が問題提起。日本は自然エネルギーにシフトしない代償を払えるか?(Greenpeace Japan)

2011-04-14 20:54:21

グリーンピースドイツの原子力専門家、ブリュアー氏
グリーンピースジャパンは、4月13日、東京・衆院第二議員会館で「ドイツ政府の原子力政策の現状と今後について」と題し、グリーンピース・ドイツ気候変動・エネルギー部門リーダーのトーマス・ブリュアー氏の講演会を行った。その中で、同氏は「自然エネルギーの技術革新は目覚ましい勢いで進み、市場は大きな成長を続けている。ドイツだけでなく、世界の多くの国がこの分野でしのぎを削っているなか、日本は自然エネルギーにシフトしない経済的代償をいつまで払えるのか」と問題提起した。

 同氏は放射線アドバイザーであり、チェルノブイリでの放射能汚染調査にも参加した経験を持つ。ドイツ銀行のエコノミストを経て2003年より現職。

 グリーンピースジャパンの気候変動・エネルギー担当の高田さんのブログによると、同氏の主な発言は、次のような内容だった。
 いまドイツ中で巻き起こっている議論の争点は、「原発を廃止にするのは、5年後か10年後か」ということ。ドイツでは、「原発を使うか否か」はすでに議論の対象にすらならない。

 ドイツは電力の4分の1を原発に頼っている(2010年)。自然エネルギーのシェアは、いま17%ほど。ドイツ政府はこれを2020年までに35%に引き上げる目標を立てている。

 2010年、ドイツで自然エネルギーに従事する人は37万人で、6年間で20万人雇用が増加。一方、原子力に従事する人は、3万~3万5千人。

 2010年、ドイツ議会の専門委員会は、100%自然エネルギーの供給が2050年までに可能であると表明。

 ドイツ連邦環境庁も、2017年までに原子力の段階的廃止が可能と発言。

 発表の最後に同氏は、「日本は、ハイテク国であり、輸出国でもあります。自然エネルギーの技術革新は目覚ましい勢いで進み、市場は大きな成長を続けています。ドイツだけでなく、世界の多くの国がこの分野でしのぎを削っているなか、日本は自然エネルギーにシフトしない経済的代償をいつまで払えるでしょうか」と問いかけた。

グリーンピースドイツの原子力専門家、ブリュアー氏