HOME10.電力・エネルギー |熊谷組、清本鐵工と連携、国内産の樹皮原料のバイオマス燃料開発へ。林業廃棄物の樹皮の有効活用と、輸入ブラックペレットからの転換目指す。来年に四国に工場建設、24年から販売へ(RIEF) |

熊谷組、清本鐵工と連携、国内産の樹皮原料のバイオマス燃料開発へ。林業廃棄物の樹皮の有効活用と、輸入ブラックペレットからの転換目指す。来年に四国に工場建設、24年から販売へ(RIEF)

2021-12-13 12:09:11

kumagai002キャプチャ

 

 熊谷組は清本鐵工(宮崎・延岡市)と連携して、国内の林業の製造過程で出る樹皮(バーク材)等の廃棄物を原料とするバイオマス燃料の製造に乗り出す。国内のバイオマス発電では、海外で森林資源を丸ごと燃料化するブラックペレット等の輸入に頼るケースが多いが、熊谷組等では廃棄物のペレット化で、自然資源の循環的有効活用を目指す。2022年に愛媛県西条市に30億円を投じて製造拠点を設け2024年の稼働の予定。

 

 バーク材のペレット化による燃料は「ブラックバークペレット(BBP)」。バーク材を半炭化し、少量の植物性由来廃油を特殊な手法で含浸させることで、木質ホワイトペレットなどの一般的な混焼材に比べて、高い熱量と混焼率、耐水性を備えるという。BBPの熱量は1kg当たり6000㌔カロリーで石炭と同等水準。清本鐵工がすでに製品化していたバークペレットを進化させた形で、特許出願中。

 

 バイオマス発電の燃料とするほか、石炭・天然ガス火力等の化石燃料発電に混焼することでCO2排出量減少に貢献できるとしている。西条市に建設する工場は年間3万~5万㌧の製造予定で、価格は1㌧当たり3万円台後半を想定している。原料となるバーク材は、国産材の専門商社の住友林業フォレストサービスが国内各地の林業現場等から調達する。

 

 熊谷組等では、第一号の生産拠点となる西条市に加えて、今後、各地の自治体や地元火力発電事業者らと連携して、それぞれの地域特性に合わせた地産地消のエネルギー循環システムとして全国展開していく方針だ。

 

 木質ペレットには、樹皮を除いた木質部部を主体とする木部ペレット(ホワイトペレット)、樹皮を主体とする樹皮ペレット(バークペレット)、樹皮と木部を両方含める全木(混合)ペレットに分かれる。このうち、バーク材は比較的火力が弱く、灰が多い、とされるが、今回のBPPはそうした課題を解決し、高品質化に成功したとしている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E8%B3%AA%E3%83%9A%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88

 

 両社では、第一号の工場に続いて、国内各地に製造拠点を整備することで、2030年に年産20万㌧、売上高80億円程度を目標にするとしている。

 

https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2021/pr_20211213_1.html

https://www.kiyomoto.co.jp/product/environment/pellet.html