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米エクソンモービル、2050年までに生産活動からのGHG排出量ネットゼロを宣言。対象排出量はスコープ1、2。2027年までに年間150億㌦の排出削減投資を実施(RIEF)

2022-01-19 14:24:45

Exxonキャプチャ

 

 米石油大手エクソンモービルは18日、石油・天然ガスの生産活動等(operated assets)から排出される温室効果ガス(GHG)排出量を2050年までに実質ゼロを達成すると発表した。対象のGHGはスコープ1と2。米南部の鉱区「パーミアン(Permian)」での操業は2030年までにネットゼロとする。CEOのダレン・ウッズ氏は「低炭素の未来に向けたエネルギー転換でリーダーとしての役割を果たす」とコメントしている。

 

   同時に、企業の経営戦略のレジリエンスについて、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)等のネットゼロシナリオに沿った評価を得たとしている。同社のネットゼロ方針については、「Advancing Climate Solutions – 2022 Progress Report」に盛り込んだ。

 

 2030年排出削減目標については、掘削・開発等の上流部門でのGHG削減量を30%削減し、企業全体では20%削減の達成を目標とする。油田での余剰ガスの焼却処分「フレア」については、同じ30年目標で60%削減、メタン排出量は70%削減とする。

 

 同社は2027年までに資本投資計画で年間200億~250億㌦の投資を維持することを公表している。今回宣言したGHG削減対策を実現するため、投資計画のうち150億㌦をGHG削減事業等に充当する。

 

 エネルギー企業のGHG排出量については、操業等の生産活動からの排出量であるスコープ1、2に加えて、上流のサプライチェーン、下流の石油精製事業やガソリン、重油、灯油等の石油製品の使用に伴うCO2排出量を含むスコープ3の扱いが課題だ。ただ、温暖化対策で先行する欧州の石油・ガス企業も、スコープ3を目標としていないところが多い。

 

 英BPの場合、上流部門のスコープ3はGHG排出量の計算に含めているが、排出量の多い下流部門は含めていない。ノルウェーのエクイノールも昨年の株主総会でアクティビストからスコープ3の削減公約を要請されたが拒否している。

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0118_ExxonMobil-announces-ambition-for-net-zero-greenhouse-gas-emissions-by-2050

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/1201_ExxonMobil-announces-plans-to-2027-doubling-earnings-and-cash-flow-potential-reducing-emissions