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大飯再稼働:ネットで集結「反対」…官邸前に人の波々・・ (毎日)

2012-06-29 22:20:52

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東京・永田町の首相官邸前で毎週金曜日の夕方、大飯原発3、4号機再稼働への抗議行動が行われている。3月末に始まり、毎回参加者が増加。29日には官邸前から霞が関への車道を埋め尽くすまでに拡大し、警察の機動隊も出動した。ツイッターやフェイスブックでの呼びかけで集結した人々は組織化されておらず、デモ行進はなし。官邸前でひたすら「再稼働反対」と叫ぶのが特徴だ。なぜ、これほど多くが集まるのか−−。騒然とする官邸周辺を歩いた。

 人が集まり始めたのは午後4時ごろ。「再稼働に断固反対」と書かれたプラカードを手にしている人がいれば、帰宅途中の会社員や手ぶらの家族連れもいる。

 埼玉県蓮田市の会社員、田中秀行さん(38)はさいたま市の勤務先からスーツ姿で訪れた。参加はこの日が初めて。「集会やデモに出たことはないが、もう無関心ではいられないと思って。政治色もなさそうだったので抵抗感はありませんでした」と言う。

「再稼働反対、再稼働反対」。同6時になると人々が官邸に向かって叫び始め、一帯はヒートアップ。6〜15歳の子供3人と初参加した静岡県袋井市の無職、中田里美さん(44)は「平和的に抗議していることをネットで知り、子供を連れて来た。参加者は『普通に生きたい、家庭を守りたい』という思いだけ。自分も一緒」。

 抗議は有志の市民ネットワーク「首都圏反原発連合」が呼び掛けた。4月3日の原発再稼働を巡る1回目の閣僚会合を前に「直接抗議の声を上げよう」と行動を起こした。

 当初の参加者は約300人。参加者が思い思いにチラシを作などしたこともあって情報が広がった。再稼働決定前日の6月15日、主催者発表で参加者が1万人を超えると、インターネット上で更に話題を呼んだ。

 午後7時すぎ、参加者は歩道からあふれた。反原発と無関係な主張を掲げる横断幕やのぼりは見えない。主催者の一人でイラストレーターのミサオ・レッドウルフさん(ペンネーム)によると、従来のデモや集会のような雰囲気を一掃し、誰でも参加できる器づくりに徹しているという。

警察車両も出動し、午後8時までの予定だった行動は同7時45分には打ち切りに。明治学院大1年の鈴木萌美さん(18)は「これだけの人が動くなんて」と感心していた。

 主催者は参加者を15万人規模としているが、警視庁は実際とはかけ離れた大きい数字で、混乱するとして発表していない。【町田結子、池田知広】

http://mainichi.jp/select/news/20120630k0000m040057000c.html