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電源開発(J パワー)、米シカゴ近辺での自社開発の天然ガス火力発電事業の権益のほぼ半分をタイの電力事業者に売却。約600億円。売却資金で再エネ投資を増額(RIEF)

2022-09-09 22:13:41

Jpower001キャプチャ

 

 電源開発(J パワー)は9日、米国連結子会社を通して100%保有している米国イリノイ州のガス火力発電所の権益のほぼ半分(49%)を売却すると発表した。売却先はタイ民間電力大手ガルフ・エナジー・デベロップメント。売却額は4億960万㌦(約590億円)。残りの51%は引き続き保有する。売却資金は再エネ事業に投じるとしている。

 

 (写真は、今年5月に稼働したばかりのジャクソン火力発電所)

 

 売却する発電所はジャクソン発電所。高効率ガスコンバインドサイクル発電所で、出力約120万kW。日本の一般家庭40万世帯分の発電が可能。主に現地で産出するシェールガスを燃料とし、生み出した電気は現地の卸電力市場を通じて販売している。JパワーUSAが2019年6月に着工、今年5月に稼働した。

 

 Jパワーは今回の売却先のガルフ・エナジー・デベロップメントとは、タイで火力発電所を共同運営するなど協業していることから、売却先に選んだ。今後も発電所の運営により収益を見込めるとみて権益の過半を持ち続ける。

 

 発電所はシカゴから約70kmの地点で、隣地には、同じくJパワーUSAが2007年から運営参画しているエルウッド発電所がある。ジャクソン発電所は米国東部地域における独立系統運用機関(Independent System Operator)で、北米最大の卸電力市場の運営、電力システムの運用を行っているPJM市場に売電している。

 

 Jパワーが米国市場で許認可取得から建設・操業まで一貫して行う発電プロジェクトはこれまでに12件を数える。ジャクソン発電所は大需要地であるシカゴ都市圏の近傍に立地するため、高い稼働率が期待されている。総工事費は1000億円超だったとみられ、その半分超を売却で回収する形だ。

 

 同社は2050年度までに国内発電事業のCO2排出量を実質ゼロとする目標を掲げ、25年度までに17~19年度の平均値から700万㌧削減する計画を立てている。今回のジャクソン発電所の一部売却はその一環で、売却資金は、国内で陸上の風力発電所や地熱発電所など再生エネ開発事業に充当される見通し。同時に投資資金の回収としての意味もある。

https://www.jpower.co.jp/news_release/2022/09/news220909.html