HOME10.電力・エネルギー |三井物産、オーストラリアで最大級の「グリーン水素事業」に参画。2024年に稼働目指す。製造する水素量は年640㌧。水素は肥料会社に売却し、グリーンアンモニアに(RIEF) |

三井物産、オーストラリアで最大級の「グリーン水素事業」に参画。2024年に稼働目指す。製造する水素量は年640㌧。水素は肥料会社に売却し、グリーンアンモニアに(RIEF)

2022-09-16 23:39:31

Greenキャプチャ

 三井物産は16日、オーストラリア西部地域でグリーン水素製造事業に参画することを発表した。太陽光発電の電力を使って水を電気分解して製造したグリーン水素を、肥料の原料として売却する。製造する水素は最大で年640㌧とオーストラリア最大の規模になる。総事業費は8710万豪㌦(約83億円)で、2024年に完成の予定。活用する水素製造装置の出力は10MWと世界ベースでも大型だという。

 (写真は、グリーン水素工場の完成予想図)

 三井物産は、今月初め、仏電力大手Engie S.A.社との間で、同社の子会社が100%保有するオーストラリアの事業会社の持分を28%取得することで合意した。年内にも正式に決定する。手がけるグリーン水素事業は、Engieと三井物産の合弁会社が西オーストラリア州ピルバラ地域に建設する。

 同地で太陽光発電事業と水素製造事業を一体的に開発・建設する。太陽光発電の出力は18MW、水素の製造装置は10MWで、オーストラリアでも最大級の水素製造力になるという。製造したグリーン水素は、ノルウェーの大手肥料メーカー、ヤラ・インターナショナル(YPF)の子会社にアンモニアの原料として売却する。グリーン水素を原料としたアンモニアは「グリーンアンモニア」となる。

 総事業費のうち4750万豪㌦(約45億5000万円)をオーストラリア政府の再生可能エネルギー庁(Australian Renewable Energy Agency)から、西オーストラリア州政府から200万豪㌦(約2億円)の補助金を得る予定。

 三井物産は、事業に伴う温室効果ガス(GHG)排出量を2050年ネットゼロにするとともに、2030年に「インパクト半減(2020年3月期比)」の目標を掲げている。同社は「今回のプロジェクトを通じてオーストラリアでの水素産業の拡大に貢献するとともに、既存アンモニアプラントへのグリーン水素供給実証を通じて、水素事業立ち上げ・運営に係るプロジェクトデザイン及び産業向け水素供給の知見獲得を目指す」としている。

https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2022/1244899_13393.html