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INPEX、インドネシア・スマトラ島で地熱開発事業に参画。仏ENGIEの出資分を買収。他の出資企業の住友商事、地元事業者と連携。2020年代後半に本格事業化目指す(RIEF)

2023-01-04 20:44:25

INPEX0056キャプチャ

 

 INPEXは4日、インドネシア・スマトラ島で地熱発電開発事業に乗り出すと発表した。同島東南部のラジャバサ地熱鉱区で進行中の開発事業会社のうち、仏電力・ガス会社のENGIE系の保有分の株31.45%を取得した。同事業ではこれまでの調査で一定の地熱資源ポテンシャルが確認されており、INPEXが年内に井戸の試掘等で地熱資源量を調べ、2020年代後半以降に地熱発電所を稼働させるという。INPEXでは従来のガス開発等に地熱発電も加えることでエネルギー開発の多様化を進める考えだ。

 

 インドネシアでの地熱事業進出は、傘下の子会社、INPEX地熱開発を通じて展開する。対象事業は、ENGIEが関係会社のENGIE Global Developments B.V.、住友商事、地元の民間地熱発電事業デベロッパーのPT Supreme Energyの3社が中心になって、事業会社のPT Supreme Energy Rajabasaを設立、共同で探鉱活動を展開してきた。

 

インドネシア・スマトラ島での地熱開発拠点
インドネシア・スマトラ島での地熱開発拠点

 

 ラジャバサ事業は、2008年から着手されており、110MW級の発電所を2基建設する計画としている。今回、INPEXはENGIEの出資分を全額引き受ける形となる。投資額は明らかにされていない。住商、PTSupreme Energyの持分に変化はない。

 

 すでに、これまでの地表調査や物理探査等を通じて一定の地熱資源ポテンシャルが確認されているとしている。今後、INPEXが化石燃料の開発で培った掘削技術を使って、年内に井戸を試掘して、地中の地熱資源量などの詳細なデータを調べる。掘削調査によって事業性が見込める場合、2020年代後半以降に地熱発電所を稼働させる方針だ。

 

 INPEXは同事業のために設立したINPEX地熱開発の拠点となるジャカルタ事務所を昨年10月10日に開設し、事業化に本腰を入れる体制を整備している。同社は昨年2月に「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision@2022)」を公表。ネットゼロ5分野の取り組みの一つとして「再生可能エネルギーの強化と重点化」を掲げ、地熱発電事業への取組みの加速化をあげている。

https://www.inpex.co.jp/news/2023/20230104_b.html

https://www.supreme-energy.com/news/post/pt-supreme-energy-rantau-dedap-starts-commercial-operation-rantau-dedap-geothermal-power-plant-development