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英新電力「オクトパスエナジー」、日本の再エネ開発会社に出資。再エネ「グリーン電力」の販売から開発・発電事業に展開へ(RIEF)

2023-04-06 16:53:45

Octopusキャプチャ

 

 英国で再生可能エネルギー等のグリーン電力供給する新電力会社のオクトパスエナジーは5日、日本で再エネ発電の開発を手掛ける四ツ谷キャピタル(東京)に出資したと発表した。オクトパスはすでに東京ガスと連携して日本市場で電力小売り事業に参入しているが、再エネ事業開発に出資するのは日本市場だけでなく、アジア市場で初めて。同社は、人工知能(AI)を活用した独自の顧客管理基盤で英国市場で300万人の顧客層を開拓している。

 

 (写真は、オクトパスの陸上風力発電所)

 

 具体的な出資額は公表していない。出資先の四ツ谷キャピタルは今後5年間に日本国内で合計250MWの発電容量を持つ複数の太陽光発電事業の展開を目指している。同事業では合計約10万世帯にグリーン電力を供給する計画だ。同社は開発した再エネ電力を、温室効果ガス(GHG)排出削減を進める企業向けにPPA(電力販売契約)の形で販売する計画という。

 

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 四谷キャピタルが新設を計画する太陽光発電施設では、約10万世帯分のグリーン電力を発電する。このため同電力を利用することで約14万㌧のCO2を削減することができる。同削減量は毎年7万7000台のガソリン車から排出されるCO2と同等量であり、68万5000本以上の植樹によるCO2吸収量と同等という。

 オクトパスエナジーは、2015年の創業で、英国を中心として欧州主要国や米国等で再エネ電力の開発・製造・販売事業を手掛けている。太陽光発電が主だが、スウェーデンでは世界最大の高さを持つ風力発電事業も手掛けている。現在のグローバルな投資資産額は60億ポンド(約1兆円)に達している。同社は日本のエネルギー構造が従来の化石燃料中心から、再エネ重視に移行するエネルギートランジションに向かうことを踏まえ、新たなビジネス機会として日本市場への投資に踏み切ったといえる。

 四谷キャピタルへの出資は、オクトパスが運営する「Sky fund (ORI SCSp)」を通じて行われる。同社のCEOのZoisa North-Bond氏は「日本市場では、再エネ発電の目標を支援し、クリーンエネルギーへのトランジションの加速を支援する大きなビジネス機会がある。今回の太陽光発電開発で急成長している四谷キャピタルへの投資は、われわれにとって初のアジア再エネ市場への投資であり、始まりに過ぎない。アジア市場での我々のチームをスケールアップし、アジア市場全体をもっとグリーンにする投資開発を展開する大きな計画を描いている」と述べている。

 2020年12月には東京ガスとの提携を発表している。日本で設立した共同出資会社を通じ、電力小売事業を展開しており、実質100%の再エネ電力の供給をメニューとして提供している。日本市場でのグリーン電力への需要拡大を見込んで、今回、新たに再エネ発電企業への出資を決めた。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000087134.html