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タイの再エネ大手「BCPG」。日本で展開する太陽光発電事業117MW分を、運営会社を含め一括してデンマーク企業に売却。日本市場から「イグジット」し、アジア市場での展開に力(RIEF)

2023-12-07 14:05:50

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写真は、BCPGが静岡御殿場市で展開する営農型太陽光発電所)

 

  タイの再生可能エネルギー大手BCPGは、日本の各地9か所、出力合計117MWの太陽光発電事業を一括でデンマーク企業に売却することで合意したと発表した。同社の事業は福島、長野、静岡等の各県で展開している。売却総額は103億7700万バーツ(約430億円)。日本では建設中の事業も抱えているが、順調に収益をあげており、有利な条件で転売できることから、日本市場から「イグジット」し、売却資金を東南アジアの他の国での再エネ事業に投じるとしている。

 

 売却先はデンマークの太陽光発電事業大手のオブトン(Obton)社。同社もすでに日本で太陽光発電事業を運営している。売却資産には、発電所の運転・保守点検サービスを手掛ける子会社(BCPGジャパン)も含める。手続きは2024年3月末までに完了する見通し。

 

 BCPGはタイの国営石油精製大手のバンチャック・ペトローリアム(Bangchak Corporation PCL)の再エネ部門として設立された。2016年に日本での太陽光発電事業に進出し、翌17年に発電規模を13MWに拡大して新規上場(IPO)した。その後、着実に日本での発電所を増やしてきた。

 

 日本での太陽光発電事業の出力総量は132MWまで拡大し、2018年にこのうち、27MW分をプライベートインフラファンドに売却していた。今回、残りの投資分117MW分全体をオブトンに売却する契約を結んだ。 このうち、13MW分は現在建設中。今回の売却による収益は投資額に対して23億タイバーツ(約96億円)に上るとし、「BCPGにも投資家にとっても重要な価値を創出できた」ている。

 

 BCPGのNiwat社長CEOは「われわれの日本での太陽光発電事業は、世界中の投資家から注目を集めてきた。ビジネスパフォーマンス、収入、環境への貢献、さらに運営する人材等を含めて、世界クラスの基準に適合した事業だ」と述べ、グローバル投資の観点から、イグジットの好機に至ったと判断したとしている。

 

 BCPGの日本での運営子会社のBCPGジャパンは「今回の取引は、世界クラスの高品質の再エネ発電所を開発・運営し、適切なタイミングで売却することにより資産価値を最大限に引き出し、資本を再循環するというBCPGの長期戦略に沿ったもの」と説明している。

 

 BCPGは、タイ、日本、台湾、ラオス、ベトナム、フィリピン等のアジア各国で太陽光、風力等の再エネ事業を展開しているほか、米国市場でも事業を展開している。同社の総発電能力は2038MW。同社は、今回の日本市場での売却資金を、ベトナム、ラオス等での再エネ事業に充当する方向。ラオスでは現在、三菱商事と共同で陸上風力の発電施設を建設中というる。同風力発電所の出力規模は東南アジア最大になる見込み。

 

https://www.bcpggroup.com/en/news-medias/news/571/bcpg-exits-japan-solar-portfolio-worth-over-thb-10000-million-transaction-expected-to-complete-latest-within-q1-2024

https://www.bcpg.jp/news/2023-12-04.html