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米GE会長 発言修正。「原発事業撤退ありえぬ」 社内ブログで(各紙) 原発事業の厳しさの認識は変わらず

2012-08-08 09:24:50

GEのCEO イメルト氏
GEのCEO イメルト氏


各紙の報道によると、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は6日、社内向けのブログに「我々が原子力発電事業から撤退することはありえない」とする文章を掲載した。同氏は先月30日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、天然ガスを燃料にした火力発電などとの競争が激しくなっている原発について、「(経済的に)正当化するのが難しい」と発言。原発事業の見直しにつながるのでは、との観測が広がっていた。

イメルト氏はブログで、FTの記者に「我々は引き続き原子力を含む幅広いエネルギー・ソリューションを顧客に提供していくと話した」が、その部分は掲載されず、「天然ガス価格が今のように安く、政府の予算が削られる限り、原発は厳しい」と発言した部分だけが“独り歩き”したと主張。「明らかに我々の意図とは違う」と、強い不満を表した。

その上で社内の原子力事業部門に対し、「私の支援があることを知ってほしい」と強調した。

FTのインタビューで、イメルト氏は新型天然ガス「シェールガス」の増産で米国でガス価格が大きく低下していることや、風力発電などのコストが下がっている状況を指摘。「ガスと、風力か太陽エネルギーの組み合わせに多くの国が向かっていく」との見方を示した。

イメルト氏が原発事業を取り巻く厳しい環境について発言したのは、今回が初めてではない。3月にテキサス州ヒューストンで開かれたエネルギー業界の会議でも、「ガス価格の下落と福島第1原発事故の組み合わせが、原子力にとって厳しいワンツーパンチになっている」と語った。GEは昨年3月に炉心溶融事故が起きた福島第1原発の1号機を建設した。

ただ、4月下旬に開いた株主総会では、2007年に日立製作所と統合した原発事業からの撤退を求める株主提案を反対多数で否決している。