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放射性セシウム:福島・阿武隈山系で「広域動態調査」へ(毎日)

2012-08-25 14:04:41

除染特別地域
除染特別地域


東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムが、台風や雪解けなどの気象状況でどのように拡散するかを解析するため、独立行政法人「日本原子力研究開発機構(JAEA)」が福島県内の阿武隈山系で「広域動態調査」に乗り出す。避難区域の再編が進む県内11市町村はすべて同山系に位置しており、調査を通じて分析モデルを確立し、効果的な除染につなげるのが狙い。

 調査は同機構福島技術本部が、国直轄で除染にあたる「除染特別地域」(11市町村の旧警戒区域など)のうち、空間放射線量が比較的低く立ち入りやすい川内村や川俣町などで9月にも始める。数年かけて台風や大雨、雪解け後の水や泥の移動状況を同本部が追跡調査。長期的なセシウムの動きを把握する研究体制はこれまで確立されておらず、詳細なデータを入手する考えだ。

 森林除染を巡っては国際原子力機関がチェルノブイリ原発事故の20年後にまとめた報告書などを根拠に、環境省が7月下旬、「必要性は乏しい」との見解を示し、福島県内の自治体などが「住民帰還に森林除染は不可欠」と反発している。

http://mainichi.jp/select/news/20120825k0000e040208000c.html