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日本原燃、再処理工場の完成をまた延期 工程変更19回目(各紙)

2012-09-17 10:16:06

六ヶ所村の再処理関連施設
各紙の報道によると、日本原燃は原子力発電所から出る使用済み核燃料を再利用するための再処理工場(青森県六ケ所村)の完成を延期する方針を固めた。10月に完成予定だったが、トラブルや東日本大震災の影響で、試験運転が遅れていた。近く延期を国に申請する。工程の変更は19回目で、事業開始の見通しは立っていない。

六ヶ所村の再処理関連施設





 再処理工場は使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再び燃料として使う核燃料サイクル政策の要。リサイクルで出る放射性廃液をガラスに混ぜて固める装置の試験運転の最終段階にある。




 ガラス溶融炉内でレンガが欠けて目詰まりするトラブルのため試験を中断していた。今年6月、約3年半ぶりに再開したが、計画が大幅に遅れている。10月に間に合わないと判断した。相次ぐトラブルで完成は10年以上遅れている。建設費は当初計画の3倍にあたる2兆2千億円に増えた。




 再処理工場はこれまで2919トンの使用済み核燃料を全国の原発から受け入れてきた。だが、民主党が「原発稼働ゼロ」方針を示したため、地元自治体が「再処理撤退なら村内の使用済み核燃料をすべて返還する」と一斉に反発した。




 使用済み核燃料が返還されれば、原発の貯蔵容量を超えて運転が困難になる例も出かねない。政府が14日にまとめた新たなエネルギー・環境戦略では、原発稼働ゼロでも核燃料の再処理は続けるという矛盾した政策を打ち出していた。