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規制値超の放射性物質を魚、貝などからも検出 グリーンピースの海洋調査で、政府に再度調査を要請(Greenpeace)

2011-05-27 12:13:43

(グリーンピースのサイトから):国際環境NGOグリーンピースは25日、福島第一原子力発電所を中心に実施した海洋の放射能汚染調査において、エゾイソアイナメなどの魚やカキなどの貝からも、暫定規制値を超える放射性物質を検出したとして、日本政府に対して水産物に対する調査の拡大、水産関係者の被害に対する全額補償、放射能汚染水の海洋環境への放出禁止などの5項目を要請(注1)しました。

グリーンピースの調査船「虹の戦士号」(オランダ船籍、555トン)で行った海洋調査(5月3日から5月5日まで)と、沿岸からの海洋調査(5月2日から5月9日)の結果(注2)、エゾイソアイナメ(福島県小名浜港で採取)から1kgあたり857Bqのセシウム(Cs-134 + Cs-137)、カキ(福島県四倉港で採取)から同740 Bqのセシウム、マナマコ(福島県久ノ浜港で採取)から同1,285 Bqのセシウム、アカモク(福島県江名港で採取)から同127,000 Bqのヨウ素(I-131)および同1,640 Bqのセシウムなど、複数のサンプルから暫定規制値を超える放射性物質を検出しました。これらの水産物関は、日本政府の調査には含まれていない、もしくは十分に調査が行われていないものです。

グリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「私たちが5月12日に要請した後(注3)、ようやく厚生労働省が福島県内での海藻類、貝類などの調査結果を5月19日に発表しましたが、海洋汚染の状況を把握するためにはまだ十分ではありません。この状態を放置していることは、漁業復興や食品安全の面でも大きな問題で、政府の海洋汚染に対する危機感が伝わってきません」と話しました。

さらに、「私たちが現場で出会った多くの漁業関係者が、グリーンピースの海洋調査のためにサンプルを提供してくれました。彼らは自身の漁場から高い数値が出てしまうことを不安視しながらも、風評被害を止め漁業再開の目途を立たせるため調査の強化を望んでおり、県や政府が調査に後ろ向きなことに怒りを感じています。政府や東京電力は、漁業関係者や消費者の安全性を確保するためにも、日本有数の漁場であるこの海域の漁業を守るためにも、一刻も早くこの要請の実現に取り組んでほしい」と訴えました。

注1)2011年5月26日に日本政府に提出した要請書

注2)海洋調査による海産物の放射性物質データ

注3)2011年5月12日に日本政府に提出した要請書