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安倍政権は 停止中の原発再稼働を「年内に6基程度、数年のうちに3分の2に拡大」 仏原発メーカーAreva代表が明言(FGW)

2013-03-05 02:07:24

アレバのCEO、Oursel氏
アレバのCEO、Oursel氏
アレバのCEO、Oursel氏


ブルムバーグなどの報道によると、フランスの原子力メーカー、ArevaのCEOであるLuc Oursel氏は、パリで開いた記者会見の場で、日本の原発の再稼働問題に触れ、脱原発政策の見直しを鮮明にしている安倍政権が、今年の年末までに6基程度の再稼働をするだろうと語った。また、数年以内には再稼働原発が現在日本にある原発の3分の2になるとの見通しを示した。

日本の原子力規制委員会が現在、稼働停止中の各原発の安全性の点検を進めているが、Oursel氏は、そうした点検作業の結果、安全性が確認される原発がかなりの数にのぼると推察している。同氏の見通しが日本政府の具体的な見直し方針を受けたものかどうかは定かではないが、Areva自身、福島原発の事故処理作業にコミットしているほか、原発メーカーとして様々なコネクションを各国政府と結んでいることから、単なる憶測での発言とは思えない。

また同氏は、再稼働にあたって各原発の安全性装置の強化等の投資が必要なことから、日本だけでなく、多くの国の規制当局が安全対策の投資装置・システム強化を求めているため、同社の安全対策関連の費用が2012年は前年比3割強多い総額2億ユーロ(2億6000万㌦)に達したことも明らかにした。これらのコストアップに対応していくためには、原発の稼働期間の延長が必要とも指摘した。

Arevaはこれまでも日本の使用済核燃料の再処理事業を展開している。また、福島原発の事故に伴い、原子炉の冷却装置を投入しているほか、提携先の神戸製鋼と組んで、福島原発で保管問題が生じている使用済核燃料を収納するキャスクの販売にも力を入れているという。事故前の日本の原発市場でも稼ぎ、事故でも稼ぎ、事故後の処理でも稼ぐ、という具合で、Arevaは今回の福島原発事故でもっとも稼いだ企業の代表格かもしれない。

Oursel氏は「日本が我々の予測通りに原発を再稼働すると、日本は原発市場での重要なポジションを取り戻すだろう」と展望を語った。現代の「死の商人」の皮算用が透けて見える思いだ。

Bloombergの記事:http://financegreenwatch.org/?p=8486