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原発事故「レベル8」新設も IAEA、尺度見直しへ協議 (各紙)

2011-06-21 19:02:38



各紙の報道によると、国際原子力機関(IAEA)は原発事故の影響を判断する国際原子力事象評価尺度(INES)の見直しに向け、加盟国と協議に入った。規模や被害が異なる福島第1原発と旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が同じ史上最悪の「レベル7」となったことにIAEA内で異論が出ているため。今後加盟国が見直しで合意すれば、尺度を細分化する方向で初の抜本改定に踏み切る。




 天野之弥事務局長が20日に開幕した原子力安全に関する閣僚会議で、INESの見直しを表明した。




 原発事故の国際的な尺度はチェルノブイリの事故を機に検討が始まり、1992年にIAEAがINESを策定した。事故レベルは0から7まで8段階あり、外部に漏れた放射性物質の量が数万テラ(テラは1兆)ベクレルの事故はすべてレベル7となってしまう。




 改定によってレベルごとの放射性物質の量をさらに細かく決め、レベル8やレベル9を新設する案が浮上。放射性物質の量だけでなく、周辺住民の総被曝(ひばく)量などの基準を追加し、総合的にレベルを判断する案もある。INESは2008年に小幅に修正されたが、抜本的な改定は導入以来初めて。




 原子力安全・保安院によると、福島第1原発の事故で放出された放射性物質の量は77万テラベクレルで、チェルノブイリの7分の1。早期に避難させたため、住民の被曝量も限定的とされる。このため、改定後の福島の事故レベルはチェルノブイリより下となる可能性が高い。