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米原子力規制委、メリーランド州の原発新設計画を却下 外資規制に抵触(各紙)

2013-03-13 00:18:11

稼働中の米国の原発
稼働中の米国の原発
稼働中の米国の原発


各紙の報道によると、米原子力規制委員会(NRC)は11日、米東部メリーランド州で計画中のユニスター・ニュークリア・エナジー社による原子力発電所の新設計画の申請を却下した。同社がフランス電力公社(EDF)の完全語会社になっているため。。ただ、NRCは半世紀以上前に定めた外資規制を見直す方針も同時に表明した。

 

ユニスターは米電力大手コンステレーション・エナジー・グループとフランス電力公社(EDF)がほぼ折半出資する合弁会社だったが、2010年にEDFがコンステレーションの保有株を買い取り、完全子会社化した。米規制では、建設・運転の一括免許を申請している企業が100%外資の場合、規制に抵触する。問題となった原発計画はカルバート・クリフ原発3号機の新設計画。申請は2007年で、その際は、合弁会社だったため問題はなかった。


 米原子力法は「外国人や外国企業、外国政府が所有または支配する企業」に対して原発の建設・運転免許を交付することを禁じている。ただ、NRCは外国人の持ち株比率など定量的な基準がない現行の外資規制について、「最初に定めたときからの年月の経過を考えれば、見直しは適切」と指摘。期限は区切っていないものの、現行規制の問題点を洗い出すよう事務局に指示した。




 ユニスターはNRCの規制緩和の方向が決まるまでの間、新たな合弁相手となる米企業を探す方針。ただ、米国内では、シェール革命でガス火力発電の競争力が高まっており、原発の新設意欲は低下している。