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福島沖海産物、放射能汚染深刻。生鮮食品品質表示基準の“抜け穴”で 汚染漁拡散の恐れ Greenpeace調査で判明(FGW)

2011-08-16 11:49:56

Seaweed Testing along Japanese Coastline
環境NGOのGreenpeaceは福島沖での第四回放射線調査結果を発表した。今回は、福島沖の5拠点で魚介類を採取、放射性物質の含有量を調べた。その結果、小名浜港周辺で採取したクロメバルから、基準を上回る1053Bg/kgのセシウム137+134が検出されたほか、すべてのサンプルから放射性物質を検出した。さらに現行の生鮮食品品質表示基準の”欠陥”がこうした汚染魚介類の拡散につながるリスクも指摘している。

Grenpeaceは調査に基づいて、日本政府に対し、①消費者の安全を確保するため、魚介類のモニタリングと流通規制の強化を行うこと②魚介類の商品ラベルに、放射能汚染の数値と漁獲海域の表示を義務化すること、 を求める要請を行った。

調査結果の詳細数値 >>


日本政府への要請について


要請内容

  • 消費者の安全を確保するため、魚介類のモニタリングと流通規制の強化を行うこと

  • 魚介類の商品ラベルに、放射能汚染の数値と漁獲海域の表示を義務化する事


 

要請理由

  1. 汚染地で漁獲された魚介類が広く流通してしまえば、現状のモニタリングおよび流通規制では、 魚介類商品を購入する消費者の安全性を確保できない


 

 

  1. JAS法に基づく生鮮食品品質表示基準では、国産の生鮮水産物の原産地表示は「生産した水域の名称」(水域名)の記載が困難な場合には、「水揚げした港名又はその属する都道府県名」をもって水域名の記載に代えることができることになっており、たとえばもし三陸や常磐の沿岸で獲られた魚が西日本や日本海側の港で水揚げされれば、商品ラベルにはその水揚げ漁港が表示されることになり、加工品や刺身盛り合わせなどの商品には、水揚げ港の表示すらされていないものも多くあるため、消費者は、商品が実際にどこの海で獲られたものなのかを、購入の際に知ることができない


 

  1. 消費者の最大の魚介類購入先であるスーパーマーケットで扱われている魚介類には、農林水産省が発表する「水産物の放射性物質調査」の対象になっていないものや、対象になっていても、調査結果の公表日がかなり以前のものが多く見られ、商品の安全性が確保されているとは言い難い


 

  1. 商品が政府の定める暫定規制値以下でも、例えばセシウムの汚染レベルが0ベクレルか499ベクレルかでは、摂取する側にとっては大きな違いとなる。放射性物質には、「摂取しても絶対に問題が無い」と言う内部被ばくの許容量はなく、できるだけ低く抑える必要があるにもかかわらず、現状では消費者が被曝レベルを判断できる情報が提供されていない


 

今回の調査、報告に関するグリーンピース・ジャパン海洋生態系担当 花岡和佳男のブログはこちら >>

作業方法と使用した放射線測定機材


 

魚類および海藻類のサンプリングを行い、フランス原子力安全機関(ASN)認定機関のアクロ(ACRO)研究所やクリラッド(CRIIRAD)研究所(共にフランス)にて放射性物質の測定と核種分析。

  • ガンマ線スペクトロメーター:Geodaris Gamma Spectrometer RT-30

  • 放射線検出器:RADEX RD1706

  • 汚染モ二ター: Rados MicroCont Contamination Monitor

  • 汚染モニター:monitor 900 ( Probe EP15)

  • 放射線量測定器:Thermo EPD MK2

  • 放射能吸収量測定装置:TLD Dose Badges


 

http://www.greenpeace.org/japan/ja/earthquake/monitoring/4th/