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原発依存の代償は再値上げの構図、電力6社が13年度赤字(Reuters)
2014-05-08 14:00:10
[東京 30日 ロイター] – 東京電力など地域独占の大手電力9社が30日までに発表した2014年3月期決算は、関西電力など6社が経常・当期赤字となり、経常赤字の合計額が4359億円に達した。
原子力発電への依存度が高い電力会社ほど財務内容の痛み具合が深刻で、複数の電力会社が料金の再値上げに踏み切る可能性が高まっている。
<関電社長、再値上げに言及>
9電力中、原発依存度が最も高い関電は、3年連続の経常・当期赤字となった。3年間合計の赤字額は、経常段階で7299億円、当期段階で5830億円に達する。関西電力の八木誠社長は記者会見で、「再値上げを検討せざるを得ない状況になってきた」と発言した。
苦境脱出への頼みの綱は、原子力規制委員会による審査中の原子炉4基(大飯3、4号機と高浜3、4号機、福井県)の再稼働だが、昨年7月の申請から10カ月を経ても合格が見えてこない。審査会合で想定する地震の震源の深さをより浅くするよう求められ、同社は今月になって指示を受け入れた。
この結果、特に大飯3、4号機では最大の揺れの想定(基準地震動)の引き上げを迫られる可能性が高く、修正した基準地震動で配管や原子炉など重要施設が耐えられるかどうかを再評価するだけで、数カ月を要するという。評価の結果、補強工事が必要となれば、再稼働はさらに先に延びる。
年度内に再稼働が実現しない場合、何もしなければ4年連続赤字のとなる公算が大きい。普通の企業なら銀行融資が受けられなくなり、存続が危うくなる状況だが、地域独占の電力会社の場合、値上げという「奥の手」がある。
関電は昨年5月、家庭向けで平均9.75%の値上げを実施したばかり。今月18日、会長を務める電気事業連合会の会見で八木氏は、「現時点では1日も長く料金を維持したい」と述べたばかりだが、30日の発言は、2週間足らずで再値上げへの地ならしとして軌道修正を図ったとも取れる内容だ。
<政府系金融頼みの地方電力>
北海道電力は2月に表明した値上げ検討について、「夏ごろまでに泊原発の具体的な再稼働時期の見通しがつかない場合、再値上げ申請で最終判断する」と、より踏み込んだ説明を行った。併せて日本政策投資銀行を引受先として500億円の優先株を7月末に発行すると正式発表した。
北電も経常・当期段階で3年連続の赤字。11年3月期には24.4%あった単体自己資本比率は、14年3月期には5.4%まで落ち込んだ。
同社東京支社の担当者は「3期連続の赤字で、簡単に銀行も貸してくれない。原発再稼動の確実な見通しを出すか、電気料金値上げによる収支改善が必至な状況」と語った。
同社は昨年7月、規制委の泊原発の審査を申請したが、3基はいずれも再稼働時期が見通せない状況。同社は昨年9月に家庭向けで平均7.73%の値上げを実施したばかりだが、結果的に「焼け石に水」だった。
九州電力も、政投銀による優先株1000億円の引き受けを発表。ただ、川内1、2号は、審査合格が視野に入った「優先審査」の対象で、再稼働を最優先させる考えだ。同社も昨年5月に値上げしたが、九電の担当者は再値上げについて「選択肢の1つだが、具体的にいつかとは全くない」と、否定的に語った。
<東電も再値上げ必至か>
原発再稼働が展望できないという点では東電も同じ。同社は、修繕費の繰り延べなど、実質的な「コスト計上の先送り」により14年3月期は3年ぶりとなる経常黒字(1014億円)を確保した。ただ、15年3月期は先送りのつけが回ってくるため、広瀬直己社長は30日の会見で「(今年度は)昨年度より(収支)状況は厳しい」と述べた。
鉄鋼業界から東電会長に転じた数土文夫氏は、3月末の会見で、柏崎刈羽原発の再稼働がなければ年末までに電気料金の再値上げを判断する意向を示した。東電は昨年9月に柏崎刈羽6、7号機の審査を規制委に申請したが、九電などの先行組に比べて大幅に遅れている。
東電は否定するものの、6、7号機直下にある断層は活断層との見方もある。規制委からは、断層の活動性の有無について調査するよう指示を受けており、審査の長期化は必至。15年3月期中の再稼働は極めて困難な状況だ。
広瀬社長は、再稼働と値上げ判断との関係について「柏崎刈羽原発の再稼働が当面厳しいのは事実だが、動かない中でどれだけの対策が取れるかということで、とことん頑張る」と述べた。東電は一昨年9月に家庭向けで平均8.46%の値上げを実施している。
今年1月に政府の認定を受けた新しい再建計画では、柏崎刈羽の再稼働がない場合、10%程度の再値上げが必要との試算が示されている。広瀬社長は「値上げは強く避けたいと思っている」と強調するが、関電の八木社長と同様、時間の経過とともに再値上げに傾く可能性は否定できないだろう。 (浜田健太郎)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DG1KR20140430?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

































Research Institute for Environmental Finance