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英国で「おしっこ発電」を開発  「おしっこ」一回で携帯充電可能に(?)(むささびジャーナル)

2014-08-10 13:11:55

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いま世界の人口はざっと70億人と推定されていますよね。けったいな質問ですが、その70億人が1年間でするおしっこの量はどのくらいだと思います?などと聞かれても分かるわけない。


 

toiletmj299-urinecity答えは(8月2日付のThe Economistによると)6兆4000億リットルだそうです・・・と言われてもなんだか分からない。東京ドーム5300個分などと言われるともっと分からない。けれど、小便を利用した発電技術なるものが英国のブリストルにあるロボット研究所(Bristol Robotics Laboratory:BRL)が開発しつつある、と聞くと「へえ~」となりません?



小便は英語で “urine” だからそれを使って作られた電気は”electricity” ではなく “urine-tricity”(ユリントリシティ)ということになる。
この小便発電の中核を成すのは微生物を内包した微生物燃料電池(microbial fuel cell:MFC)というもので、小便がMFCを流れると、微生物がこれを通常のメタボリック過程の一環として食べてしまうのですが、その際に電子が解放される。そして電池内の電極棒がその電子を集めるのですが、集まった電子を外部の回路に接続すると電流が発生して「おしっこ発電」が完了するというわけです。



BRLの研究陣は微生物燃料電池による電流発生実験のために食料廃棄物、昆虫の死体でも実験したのですが、小便を使うと他のものに比べて3倍もの出力が生まれたのだそうです。BRLによると、いまのところは実験段階ではあるものの、ざっと2年ほどで携帯電話やパソコンの充電程度の電力を生むことができるようになるのだそうです。



この開発がうまく行っておしっこが本当に再生エネルギーの源として使えるようになると、世界中でトイレの設置が進むだろうとされています。それはそうでしょう。トイレは単なる「お手洗い」ではなく発電エネルギーの発生装置になるのだから。現在、世界中でまともなトイレを持たない状況にいる人は25億人と推定されており、小便電気の登場はこれらの人びとにとっても大変な朗報になる潜在性を秘めている、とThe Economistは言っています。










▼「おしっこ」は英語で “pee”だからおしっこ発電は “Pee Power” を利用した発電というわけでありますね。ブリストルの研究所のurine-tricity研究にはビル・ゲイツ主宰のGates Foundationのような財団が資金援助を行っているのだそうです。

 

http://www.musasabijournal.justhpbs.jp/backnumbers-299.html#no1