HOME10.電力・エネルギー |福島第1原発:東電、過酷事故発生時の手順書も黒塗り(毎日) |

福島第1原発:東電、過酷事故発生時の手順書も黒塗り(毎日)

2011-09-13 15:55:38

東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒塗りして開示した問題で、再開示を要求していた衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)は12日、同社が別の「シビアアクシデント(過酷事故)発生時の手順書」でもほとんどすべてを塗りつぶして開示したことを明らかにした。

 一方、経済産業省原子力安全・保安院がこの日の同委員会理事会で、原子炉等規制法などによって手順書の開示命令ができるという初めての説明をした。このため、同委員会は経済産業相に対し、初めて同法に基づいて開示命令を出すように請求した。開示請求は通算4回目。

 理事会では、保安院と東電幹部がシビアアクシデント手順書を持参して説明した。資料は表紙と目次のA4判3枚で、目次50行のうち開示されたのは「消火系」と「不活性ガス」と書かれた2行のみ。両者から内容についての説明はなく、東電は会議後に資料を回収し、「核物質防護と知的財産上の問題」と説明したという。

 川内委員長は「これだけの事故を起こしておいてまったく資料開示に応じないのは遺憾。保安院も法的権限があるのを知りながら、これまで何もしていなかったということで理事からも怒りの声が上がった」と話した。

 一方、この日の会見で東電は「あくまで運転操作にかかわる手順書は社内文書。一般的に公開するものではないと考えている」としている。【関東晋慈】

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110913k0000m040058000c.html