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福島:子供の甲状腺検査始まる 36万人、生涯チェック(毎日)

2011-10-11 16:18:40

保護者に伴われ、甲状腺の超音波検査に向かう子どもたち。今年4月1日時点で18歳以下の福島県内の子ども全員が検査対象となる=共同
島県は9日、東京電力福島第1原発事故に伴う県民健康管理調査の一環として、今年4月1日時点で18歳以下の子供全員の甲状腺検査を福島市の県立医大病院で始めた。約36万人を対象に生涯にわたって甲状腺をチェックする世界でも類を見ない調査となる。

 

検査は1人5分程度で超音波を使い、複数の医師で診断し、結果は約1カ月後に通知。病変の恐れがあれば後日、採血や尿検査、細胞を採取する詳細検査を行う。初日は飯舘村と浪江町、川俣町山木屋地区の144人が検査を受け、22人は県外の避難先から。14年3月までに県内を一巡、その後は2年ごと、20歳を超えると5年ごとに検査する。

 飯舘村から川俣町に避難している主婦、荒ちどりさん(43)は5~11歳の男の子4人を連れ来院。検査後、無邪気にはしゃぎ回る姿を見つめながら「なぜこんなことに」とやり切れない様子。マスク姿の高校1年の女子生徒(16)も飯舘村から川俣町に避難。不満そうに「もっと早く検査してほしかった」。将来子供を産むことなどを考えて一人で思い悩むこともあるという。

 浪江町の主婦、小松きく江さん(38)は小学生の一人息子(7)を連れ避難先の前橋市から訪れた。「4、5年先が心配。心は福島にあるけど、線量が高いので帰ろうとは思えない」と複雑な表情。11カ月の男の子を抱き来院した主婦、高橋美幸さん(34)は「少し安心した」と笑顔を見せながら「できる限りいろいろな検査をしてほしい」と訴えた。

 ◇11日で震災7カ月 避難7万3249人


 

 東日本大震災は11日、発生から7カ月を迎える。警察庁の7日現在のまとめでは死者は1万5822人、行方不明者は3926人。政府の復興対策本部によると9月22日現在、全都道府県でいまだ7万3249人が避難生活を送っている。公民館や学校など避難所で生活する人は2840人。【北村和巳】




保護者に伴われ、甲状腺の超音波検査に向かう子どもたち。今年4月1日時点で18歳以下の福島県内の子ども全員が検査対象となる=共同


http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111010k0000m040067000c.html