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東日本大震災、津波漂流物の調査航海 米環境団体が計画(AFP)

2011-10-13 13:10:37

【10月8日 AFP】東北地方太平洋沖地震による津波で発生した漂流物が集まる太平洋の海域をヨットでまわる調査航海を、米国の環境活動家たちが企画している。

 主催するのは米カリフォルニア(California)州を拠点とするふたつのNPO、「ファイブ・ジャイルズ・インスティチュート(5 Gyres Institute)」と「アルガリータ・マリーン・リサーチ(Algalita Marine Research)」で、どちらもプラスチックによる海洋汚染の調査・啓蒙活動を行っている団体。

 調査航海のリーダー、マーカス・エリクセン(Marcus Eriksen)氏は「津波によってライターや瓶、キャップや玩具など様々なプラスチック製品が流されているのと同じ海流に乗って航海する」と説明している。

 5日の発表によると、2か月間の航海を2回に分けて行う。使用する船は、長距離レース用ヨットを引退した全長22メートルのスループ型帆船「シー・ドラゴン(Sea Dragon)」号で、1回につき9人が募集される。参加者は船の運航と日本沿岸から津波に乗ってきた漂流物の実態調査を手伝うことに同意する必要がある。
 1回目の航海は2012年5月1日にマーシャル諸島を出発し、「太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)」と呼ばれている北太平洋環流(North Pacific Gyre)の中でも、これまでプラスチック汚染に関する調査がほとんど行われたことのない西部海域を目指す。
 2回目の航海は日本から東に向かい、「日本津波デブリ海域(Japan tsunami debris field)」と呼ばれている海洋漂着物が集まる環流の海域を横切ってハワイ(Hawaii)に行く。参加費用は1回目が1万3500ドル(約104万円)、第2回目が1万5500ドル(約119万円)。

 主催者側は「(津波で生まれた)プラスチックごみが環流に乗ってどのくらい速く移動しているか、それがどのくらいの速さ、あるいは遅さで分解されているのか、海洋生物がどの程度の速さで付着しているのか、侵入生物種はプラスチックに付着しているのかなど、研究者にとって大きな関心事を調査する」と述べている。

5Gyres Institureのサイト: http://www.5gyres.org/what_is_the_solution

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2833570/7893458