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MOX燃料の海上輸送、当面延期。関電と中部電、地震と事故で(共同通信)
2011-03-25 22:58:44
[共同通信:3月25日] 東日本大震災や福島第1原発事故を受け、関西電力と中部電力は25日、プルサーマル運転に使うため、今春に予定していたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のフランスからの海上輸送を当面、延期することを明らかにした。
海上輸送には厳重な警備が必要だが、関電によると、国から「災害復旧に全力を挙げており、十分な警備体制をとれると確約できない」と連絡があったほか、事故の影響も踏まえたとしている。 関電は1月、高浜原発3号機(福井県高浜町)でMOX燃料を使い、同社初のプルサーマル営業運転を開始。輸送予定だったのは3号機に追加するMOX燃料集合体。
中部電は、関電と同じ船便で輸送予定だった。同社は浜岡原発4号機(静岡県御前崎市)でプルサーマル発電を計画、今回の事故の影響で実施を2013年以降に遅らせることを決めている。輸送時期について、両社は「震災の情勢の推移を見極めて検討する」としている.
運搬される予定だったMOX燃料は、福島第1原発3号機で使われているものと同タイプ。同原発の事故による不安が広がる中、危険を伴う遠距離海上輸送を実施し、日本に新たな核燃料を届けることにグリーンピースフランスは「フランス政府も核燃料会社アレバ社も全く無責任だ」と批判を強めていた。
日本の電力各社は、アレバ社に原発のプルサーマル用にMOX燃料の加工を依頼しており、これまで4回フランスから日本へ海上輸送されている。福島第1原発で現在使われている燃料は、このうち1999年の1回目の輸送で運ばれたMOX燃料だという。(共同通信の複数の原稿から構成)