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福島第1原発:収束作業死で労災認定…横浜南労基署(毎日)

2012-02-24 21:20:40

「お父さん、やったよ」と涙を浮かべながら大角信勝さんの遺影に話しかけるカニカさん=静岡県御前崎市の自宅で2012年2月24日午後7時49分、平塚雄太撮影
昨年5月、東京電力福島第1原発事故の収束作業中に心筋梗塞(こうそく)で死亡した静岡県御前崎市の配管工、大角信勝さん(当時60歳)について、横浜南労働基準監督署は24日、「短時間の過重業務による過労死」だったとして労災認定することを決めた。連絡を受けた遺族の代理人弁護士が明らかにした。これまで同原発の収束作業中に大角さんら4人が死亡しているが、労災認定されたのは初めて。

「お父さん、やったよ」と涙を浮かべながら大角信勝さんの遺影に話しかけるカニカさん=静岡県御前崎市の自宅で2012年2月24日午後7時49分、平塚雄太撮影




 元請けの東芝などによると、大角さんは、東電から収束作業を請け負った東芝からみて4次下請けにあたる御前崎市内の建設会社の臨時雇いとして作業に当たった。

 11年5月13日から午前6~9時のシフトに入り、汚染水の処理機材を設置するため、集中廃棄物処理施設の配管工事などを担当。2日目の14日午前6時50分ごろ、特殊のこぎりを運搬する途中で倒れた。

 2日間で計4時間弱の作業だったが、代理人の大橋昭夫弁護士によると同労基署は「防護服、防護マスクを装備した不自由な中での深夜から早朝にわたる過酷労働が、特に過重な身体的、精神的負荷となり心筋梗塞を発症させた」と認めた。

 労災申請していた大角さんのタイ人の妻カニカさん(53)は今後、東電と東芝に安全配慮義務違反があったとして損害賠償請求訴訟も視野に、企業側と交渉するとしている。大橋弁護士は「これからも続く収束作業の従事者に励ましを与える結果」と評価した。【西嶋正信、平林由梨】

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20120225k0000m040057000c.html