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東電子会社:社員食堂運営を丸投げ 電気料金に上乗せ(毎日)

2012-03-06 11:48:56

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東京電力が、同社OBの受け皿となっている子会社の利益をかさ上げするため、この子会社に委託した社員専用レストランの運営を、実際は別会社に丸投げし、東電に入るべき利益が入らず、結果的に電気料金上乗せにつながったことが5日、東京都の調査で明らかになった。都は「他の子会社とも、こうした取引が常態化し、電気料金に上乗せされている」(猪瀬直樹副知事)として、近く枝野幸男経済産業相に調査を要請する。

 都によると、問題の子会社は東京リビングサービス。東電独身寮の運営や旅行事業など東電の福利厚生や介護、保育園事業にも乗り出している。社員数は1000人で、10年度の売上高は約140億円。「東電OBの受け皿で、取引の7割は東電が相手」(東電関係者)という。

 リビング社が、東電から運営を委託されていたのは東京・渋谷の社員専用の高級レストラン「渋谷東友クラブ」。リビング社は実際は、別の会社に高級レストランの運営業務を丸投げし、一部の利益を吸い上げていたという。

 都は、東電がOBのいるリビング社に利益が生じるよう、こうした取引をした結果、東電に入るべき利益が大幅に減ったとみている。

 レストランは昨年5月末に東電がリビング社との契約を解除したため、現在は外部業者の直営店となっている。東電広報部は子会社を間に挟む取引を認めた上で、「リビング社は売却する方針。今後も取引形態の見直しは進める」としている。

 子会社の絡む不明朗な取引については、東電の経営状況を調査した政府の第三者委員会「経営・財務調査委員会」の報告書でも「(子会社を含めた)関係会社は東電向け取引で稼いでいる」と分析。都の調査で不透明な取引の具体的事例が浮かび上がった形だ。【永井大介】

http://mainichi.jp/select/biz/news/20120306k0000m020140000c.html