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廃棄物処理大手のタケエイ、福島県でバイオマス発電所建設へ。県内産森林資源100%。放射性物質除去対策で二重フィルター使用し安全性確保(各紙)

2018-08-31 15:05:57

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 各紙の報道によると、廃棄物処理や再生可能エネルギー事業などを展開するタケエイ(東京)は福島県田村市に木質燃料のバイオマス発電所を建設する。県内の森林資源を木質チップ化するが、東京電力福島第一原発事故による放射線汚染の影響を防ぐため、燃焼で発生する粉じんは二重の高効率フィルターで処理するという。出力は約7000kW、今年11月に着工、2020年3月に稼働する予定。

 

 (写真は、タケエイが青森県で稼働させているバイオマス発電設備)

 

 日刊工業新聞が報じた。タケエイは、廃棄物処理のノウハウを生かしたバイオマス発電事業に力を入れており、青森、秋田、神奈川等でも事業を展開している。今回の福島県でのバイオマス発電事業は、発電事業とともに、震災復興地域での森林利用による産業活性化を後押しすることを目指す。

 

 事業化に際して、事業主体となる「田村バイオマスエナジー社」を設立、タケエイが80%、田村市が20%を出資する。同事業は、震災からの復興を目指す福島県の基盤整備事業の一環として進める。発電用のボイラーは、三菱日立パワーシステムズインダストリー(横浜)のバブリング流動床ボイラを採用する。

 

木質チップ製造設備(タケエイの青森・津軽バイオチップ会社の様子
木質チップ製造設備(タケエイの青森・津軽バイオチップ会社の様子)

 

 福島県は豊富な森林資源を持つが、東電事故によって放射線汚染が残留している懸念から、これまで地元の木質材を使った新規のバイオマス発電事業は進んでいなかった。今回の田村バイオマスエナジー社が調達するエリアでの木質チップは100%県内産で、年間5万㌧を使用する計画。放射性物質が安全レベル内にある福島県中央部の企業・団体で構成する組織や、県南の木工団地、会津地区からも調達する。

 

 さらに、焼却によって放射性物質が飛散する懸念への配慮として、バグフィルターでの処理後にHEPAフィルターでも処理する二重の体制をとる。これにより燃焼によって発生する粉じんを99.97%以上、取り除くことができるという。発電に伴って発生する熱利用は、発電所周辺に地元主体と共同で設立する予定の植物工場で使用することも検討しているという。

 

 タケエイはこれまで、2015年に青森県で津軽バイオマスエナジー(発電容量6250kW)を稼動させ、17年には岩手県で花巻バイオマスエナジー(同)を稼動させている。また現在建設中の秋田県の秋田グリーン電力(7050kW)は来年2月に、さらに神奈川県での横須賀バイオマスエナジー(6950kW)も来年10月に完成の予定。

http://www.takeei.co.jp/environment02.html

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00486734?isReadConfirmed=true