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世界の原発、80%が運転期間20年超える IAEA(AFP)

2012-03-15 12:14:55

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【3月15日 AFP】世界の原子力発電所の80%が運転年数20年を超えていることが、AFPが13日に入手した国際原子力機関(IAEA)の年次報告書「原子力安全報告書(Nuclear Safety Review)」の草案で明らかになった。東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故から1年を経て、草案は原発の安全面における懸念を提起している。
 
 原子力技術の平和的利用を推し進めるIAEAの同草案によると、全世界で稼働する435基の原子力施設のうち5%は運転開始から40年以上、32%が30年以上が経過しており、80%が20年を超えて運転しているという。

 このことから草案は、老朽化した施設についても、現行型もしくは将来導入されるものと同等の厳しい安全基準が求められるとしている。

 また、「安全面での懸念に加えて、加盟国のエネルギー安定供給能力など経済効率面でも影響を及ぼす恐れがある」と分析。原発施設の長期間運転(LTO)を行う国に対しては、「交換不可能」な主用部品を安全面から徹底的に調査することを求めた。

 さらに草案は、医療目的などの研究用原子力施設254基についても、70%が想定された耐用年数の30年を超えて稼働中だと指摘。これら施設の研究者や管轄当局、さらには一般の人々の間でも「深刻な懸念」が持ち上がっているとしている。

 草案は、2012年半ばに年次報告書として発表される予定。

 一方、IAEAの天野之弥(Yukiya Amano)事務局長は前週、2011年3月の福島第1原発事故が拡大した背景には、地震や津波のみならず「人為的および管理上の過失」があったと発言。この事故により各国で原発の安全対策が強化されたと述べている.

 

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2865110/8640730