HOME13 原発 |東京電力、家庭に設置・普及させている「次世代電力計」で発熱事故1年間で16件発生。しかし、「危険性ない」と自己判断し、公表せず(各紙) |

東京電力、家庭に設置・普及させている「次世代電力計」で発熱事故1年間で16件発生。しかし、「危険性ない」と自己判断し、公表せず(各紙)

2018-11-18 21:32:59

smartmeter2キャプチャ

 

  各紙の報道によると、東京電力が家庭などに設置している次世代電力計「スマートメーター」で、部品の一部が発熱する不具合が、2016年9月からの1年間に16件発生していたことが、分かった。消費者庁は火災事故としている。東電は同型のメーターを同社管内に合計2万4000台設置しており、取り換え作業を進めているという。だが事故や不良品の存在については公表していない。

 

 (写真は、東光東芝メーターシステムズ社製のスマートメーター)

 

 東京新聞等が報道した。東京消防庁の資料等によると、スマートメーターの不具合は、2016年からの1年間に16件が発生した。そのうち少なくとも10件は、17年1~7月に、都内で発生した件数という。

 

 スマートメーターの製造企業は複数ある。今回、不具合が見つかった16件はすべて、東光東芝メーターシステムズ(埼玉・蓮田市)社製で、2015年4~11月に製造された。同社製品は約2万4千台が家庭などに設置されている。東電は今年3月、このメーターを不良品と認め、取り換え作業を進めている。

 

 取り換えは、これまでに約4割相当の9600台で完了させている。残りすべてを、2019年3月末までに完了させる予定という。

 

 東電によると、メーターはコンデンサーの部品に不良品があり、想定以上の電流が流れたことで、抵抗部と基盤の一部が損傷したとみている。建物等への燃え移りはなかった。ただ、すでに家庭に設置されたメーターに発火を伴う不良品が混じっていたことが分かったのに、東電は製品の不良情報を、対象となる個人等の契約者に一切、伝えていない。

 

 東電広報は、その理由として、「燃えにくい素材が使用され、火が出て建物に燃え移る危険性はない。通知していなくても、大事に至らない」と説明しているという。福島原発事故前のリスク認識と極めて似通っているように思える。いわく、「原発は頑丈なので、事故にはならない。万一の場合が起きても、大事には至らない」と。

 

 米国の「サステナブルファイナンス会計基準機構(SASB)」がこのほど、完了させた11産業88業種の企業向けのサステナブルファイナンスの開示ルールでは、電気・電機機器について「製品の安全性」を確認する開示手法として、リコール(不具合で回収対象)の件数、製品の安全性で訴訟になった場合の損失額の開示を求めている。SASBを東電に当てはめれば、当然、開示の対象になる。

 

 東京新聞は、自宅のメーターが燃えた都内の女性のコメントも紹介している。「ものすごく大きなブザー恩がメーターから出っ放しだった。触るとかなり熱かった」との説明だ。

 

 全国の事故情報をまとめた消費者庁の「事故情報データバンクシステム」によると、スマートメーターの火災事故は、東電が設置した東光東芝製の16件のほか、メーカーは不明だが今年8月下旬に埼玉県で1件、9月上旬には滋賀県でも1件、起きているという。

http://www.t2ms.co.jp/product/smame/p_m13.htm