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東電値上げ:企業向け「契約期間現料金」周知せず(毎日) 監督官庁の“監督不行き届き”

2012-03-21 12:48:50


東京電力が、4月から予定している企業向け電気料金の17%値上げについて、値上げを了承しなければ契約期間内は現在の料金が適用される可能性があることを周知していなかったことが21日までに分かった。枝野幸男経済産業相は同日の閣議後記者会見で東電の姿勢を批判し、契約者への説明を徹底するよう指示したことを明らかにした。






 今回の値上げは工場や事務所など契約電力50キロワット以上の約24万件が対象。家庭向けと異なり、値上げに国の認可は必要なく、東電と利用者の間での交渉で料金を決める。

企業向け料金の契約期間は1年で、4月が更新時期ではない企業もある。東電は1月の値上げ発表後、対象者に値上げを知らせる文書を郵送したが、文書には「(値上げに)了承できない場合は3月30日までにご連絡ください」としか記載されておらず、値上げを了承しない場合は次の更新まで現行料金が適用される可能性があることには触れていなかった。

東電は契約者から問い合わせがあり、その後の交渉でも値上げを了承してもらえない場合に料金据え置きを説明していたという。

枝野経産相は閣議後会見で「故意かどうかにかかわらず、開いた口がふさがらない」と東電の経営体質を厳しく批判した。十分な説明を受けずに既に値上げを了承した契約者を含めて、すべての対象者に次の更新まで現行料金を適用できるケースがあることを周知徹底するよう、16日付で東電に指示したことを明らかにした。

東電は「4月1日からの値上げについて当社の置かれた状況を説明し、理解いただけるように努めていく」と話している。【立山清也、和田憲二】