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新社会人、古里復興を胸に 被災企業で入社式(岩手日報)

2012-04-03 12:56:21

入社式を終え、笑顔で今後の抱負などを語るエフビーの新入社員たち=山田町
復興初年度となる2012年度が実質的に幕を開けた2日、岩手県内各

入社式を終え、笑顔で今後の抱負などを語るエフビーの新入社員たち=山田町


地の企業や官公庁で入社・入庁式が行われた。若者らは東日本大震災を機に高めた地域を支える決意を胸に、新たな一歩をスタート。沿岸部の被災企業に入社する新社会人はまだ仮設住宅暮らしも多いが、「何とか地域復興の役に立ちたい」「失った家族や友人の分まで頑張る」と力強く宣言した。

 建設資材などを扱う大船渡市大船渡町の橋爪商事(宮沢信平社長)には大船渡、陸前高田両市の出身者6人が入社。大船渡市の実家が被災し、仮設住宅で暮らす刈谷大地さん(18)は「被災後もすぐに会社を立て直し、復興に尽くす姿を見ていた。自分も貢献したい」と力を込めた。

 釜石市両石町の水産加工品製造販売、小野食品(小野昭男社長)には昨年より1人多い7人が入社した。仙台市出身の酒井あずささん(22)=北里大水産学部卒=は、同大3年時に大学近くのアパートが流失。神奈川県の相模原キャンパスで卒業したが「三陸のために働きたい」と岩手に戻った。「『三陸独自』の商品開発が当面の夢」と目を輝かせる。

 社員約280人のうち約80人が自宅や親族を失い、1人が犠牲となった山田町豊間根の電子部品製造エフビー(田鎖健一社長)では8人が新たな門出を迎えた。大槌町の仮設住宅に住む柏※師(つかさ)さん(20)は「時に失望や悲しみを味わうかもしれないが、決して負けず、先輩方に追い付くように努力する」と決意を述べた。

※は、「崎」の「大」が「立」

 

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120403_3