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東海村長 経産相に廃炉要望 安全評価プロセスに疑問 国や電力業界を批判(茨城新聞)

2012-04-05 12:42:33

枝野幸男経済産業相に意見書を手渡す村上達也東海村長(左)=4日夕、東京・霞が関
日本原子力発電(原電)東海第2原発について、村上達也東海村長は4日、枝野幸男経済産業相と面会し、「福島原発事故の二の舞いを絶対に避けなければならない」として、廃炉を求める意見書を提出した。村上村長は、昨年10月にも、細野豪志原発事故担当相に廃炉要望をしている。

枝野幸男経済産業相に意見書を手渡す村上達也東海村長(左)=4日夕、東京・霞が関


意見書は、「原発事故防止の大きな課題は、政府や電力業界の姿勢であり、これらが改革されなければ住民の安全は確保されない」と国や電力業界の体質を厳しく批判。その上で、全国の原発と比較して東海第2原発周辺は人口密集地域であり、「万一同様の事故が起きれば被害は天文学的になる」などと指摘し、廃炉を求めた。

このほか、「脱原発」工程表と廃炉基準の明示▽「基幹電源」から「補助電源」へ原子力の位置づけを転換▽国が法的責任を持つ原発事業体制の構築▽同村内の使用済み核燃料処分方法の提示▽東京電力の解体及び発送電分離の具体化▽同村の「原子力センター構想」への支援-を求めた。

村上村長は、枝野経産相と面会後、取材に応じ、要望項目について「(枝野経産相から)具体的回答はなかった。ただ、『関心を持っているので今後とも話し合いをしたい』とのことだった」と説明した。

また、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働問題について、「経済産業省原子力安全・保安院がストレステストの1次評価を実施し、原子力安全委員会が追認するシステムを危惧している。それをもとに政治判断するのは国民世論へ配慮がない」と批判し、安全評価プロセスに疑問を呈した。