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放射性物質拡散を予測 全国の原発 来月着手へ 防護区域の参考に(東京新聞)

2012-04-12 17:56:51

原発事故に備えて対策を講じる「緊急防護措置区域(UPZ)」の範囲を関係道府県が設定する際の判断材料とするため、政府は、全国の原発を対象に事故時の放射性物質拡散シミュレーションを実施するよう独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)に指示した。早ければ五月にも着手し、夏ごろに結果をまとめる。


 滋賀県は関西電力大飯原発、美浜原発について独自に実施した拡散シミュレーションに基づき、「おおむね三十キロ圏」とする国の目安を大きく超える最大四十三キロに広げてUPZを設定した。今回の結果次第では、他の原発でも国の目安より広いUPZ設定につながる可能性がある。




 内閣府などによると、シミュレーションでは原発の出力のほか、通年の気象条件や地形といった地域特性を踏まえ、放射性物質が最大でどこまで拡散するか把握する。




 原発立地・隣接道府県はこの結果に各地域の事情を加味し、UPZの範囲を具体的に設定する。各道府県は、UPZ内について住民避難のシミュレーションを実施。国が「原子力規制庁発足から半年程度」と作業期間を示す地域防災計画の見直しにつなげる。




 JNESのシミュレーションについて、内閣府の担当者は「どのような地域特性を踏まえるかは、地元をよく知る原発立地県などの考えも聞くことになる」と話している。




 大飯原発など再稼働の判断待ちとなっている停止中の原発についても、早ければ五月以降のシミュレーション実施となるが、内閣府の担当者は「再稼働問題と連動した作業ではない」と説明した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012041202000128.html