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韓国の古里、霊光原発で偽造部品、次々に発覚する納入汚職(朝鮮日報)

2012-04-30 00:58:56

「電源喪失」の事故が起きた韓国の古里原発=釜山市機張郡、中野晃撮影
「電源喪失」の事故が起きた韓国の古里原発=釜山市機張郡、中野晃撮影


原発の本来の部品を横流し、それを模倣して製造した偽造品が古里原発3号機だけでなく、霊光原発でも使用されていたことが分かった。原子力安全委員会は直ちに問題の部品に対する調査に乗り出した。

 

原発部品の納入汚職について捜査を行っている蔚山地検特捜部は26日、月城原発制御計測チームのリーダーを務めるC容疑者(49)の身柄を拘束したと発表した。C容疑者は霊光原発に勤務していた昨年4月、偽造された「シーリングユニット」16億ウォン(現在のレートで約1億1400万円、以下同じ)分を購入する見返りに、納入業者から1億ウォン(約710億円)の現金を受け取っていた。シーリングユニットとは、原子炉の出力を測定する内部計測器に使われる重要な部品だ。

 

このシーリングユニットはこれまでフランス製の部品が使用されていたが、古里原発系統技術チームのリーダーだったH容疑者(55)=拘束済み=は、2009年にこれを韓国国内のある中小企業に横流しし、偽造品を作らせて古里原発に納入させる見返りに現金を受け取っていた。偽造されたシーリングユニットは、古里原発3号機では昨年5月から、霊光原発では昨年9月から使用されていた。

 

検察は、原発に部品を納入するS社が「原発ロビイスト」として知られるY容疑者=拘束済み=に、納入企業選定の見返りに5億ウォン(約3600万円)を支払った容疑について調査する過程で、今回の問題を突き止めた。普段から政治家と親しい関係にあることをちらつかせていたY容疑者は以前、シイタケを輸出するビジネスを手掛けていたという。Y容疑者についてはそれ以外の容疑は明らかになっていないが、韓国水力原子力と納入業者の取引内容が記載された資料を入手した検察が、この資料の内容について調べているうちに、各原発での納入汚職が相次いで発覚したという。捜査に当たっている蔚山地検の関係者は「汚職の伏魔殿(魔物がひそんでいる殿堂)のようだ」と話した。

安全を最優先にすべき原発の技術者が汚職に手を染めるに至った理由について、ある原発部品メーカーの関係者は「納入の仕組みが影響しているのではないか」と指摘する。原発部品については安全性が最優先に求められるため、1度納入にこぎ着ければ、ほとんどのケースで長期にわたり独占的に納入できる。そのため原発側の担当者と納入業者の間に癒着関係が形成される可能性が非常に高いという。

 

とりわけあまり高度な技術を必要としない2次系統(原子炉から排出される蒸気でタービンを回す部分)に関しては、中小の納入業者が関与するケースが多く、また部品の数も多いため、汚職が発生する可能性が高いとされている。

 

先月、釜山地裁東部支院で懲役6年の判決を受けたK容疑者(古里原発機械チームの元リーダー)=49=のケースを見ても、原発関連の部品納入汚職がいかに深刻な状況にあるかが分かる。K容疑者は2008年から古里原発第2発電所整備管理部長と機械チームのリーダーを兼任し、14社から62回にわたり総額3億7400万ウォン(約2670万円)以上の現金を受け取っていた。

 

またK容疑者は入札や購入の業務だけでなく、納入された物品の性能検査やメンテナンスなども担当していた。つまりK容疑者がその気になれば、問題のある部品がいくらでも原発に使用される恐れがあったというわけだ。複数の原発専門家は「100万個に達する原発部品の品質や性能の管理は、癒着によっていくらでもずさんに行われる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 

とりわけ納入額が10億ウォン(約7100万円)未満の部品に関しては、本社である韓国水力原子力の承認なしに、各原発が独自に契約を結ぶことができるため、管理の死角にあるといっても過言ではない。今回問題が発覚したシーリングユニットは、古里原発と霊光原発に総額およそ30億ウォン(約2億1400万円)分がすでに納入されているが、各期別にみると10億ウォンを下回るため、各原発が独自に契約を結んでいた。全国に21基ある原発が部品購入に投じる予算は年間1兆3000億ウォン(約930億円)。その中で原発が独自に購入したのは、昨年だけで2300億ウォン(約160億円)だったが、このうち不正に納入された偽造部品はかなりの額に上るとみられている。

 
蔚山= 金学賛(キム・ハクチャン)記者

 
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/27/2012042700951.html