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日清食品、2030年度までの環境戦略。パーム油は100%認証付きに限定。CO2排出量はScope1+2合計30%削減(2018年度比)(RIEF)

2020-06-09 17:42:39

NIっしん01キャプチャ

 

 日清食品グループは、カップヌードルなどに使用しているパーム油を、2030年度までに100%持続可能性認証付きに切り替えるほか、CO2排出量についても、同年度までにScope1+同2合計で30%削減(2018年度比)とするなどの環境対策を盛り込んだ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を公表した。

 

 同社は、人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて社会や地球に貢献する「EARTH FOOD CREATOR」をグループ理念に掲げ、気候変動をはじめとする地球規模での環境問題が顕在化する中、より高いレベルでの環境対策推進を重要経営課題と位置付け、今回の環境戦略を立案した、と説明している。

 

オンライン会見した日清食品HDの安藤宏基社長
オンライン会見した日清食品HDの安藤宏基社長

 

 新戦略は、地球資源を取り巻く環境の保護および資源の有効活用に挑戦する「資源有効活用へのチャレンジ (EARTH MATERIAL CHALLENGE)」と、日清食品グループの事業活動全般におけるCO2排出量削減に挑戦する「気候変動問題へのチャレンジ (GREEN FOOD CHALLENGE)」の2つが柱。

 

 前者の「EARTH MATERIAL CHALLENGE」で、2030年度目標として①持続可能なパーム油調達比率100%②水資源の使用水準12.3㎥/売上高100万円③廃棄物再資源率99.5%、廃棄物総量50%削減(2015年度比)を掲げた。

 

おなじみカップヌードル工場
おなじみカップヌードル工場

 

 このうち①のパーム油については、東南アジア等での森林破壊の防止、生物多様性の保全、農園労働者の人権配慮を評価した「RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議)」認証パーム油等の調達に限定する。2020年3月現在、グループ全体でのRSPO認証の調達比率は約20%。これまでは2025年度に25%引き上げる目標としていたが、環境NGOらから引き揚げを求められていた。http://rief-jp.org/ct11/93017

 

 今回、2030年度の認証パーム油100%化を宣言したが、NGOらが求める「NDPE方針(森林破壊防止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)」の採択については言及していない。NDPEについては、ネスレ、ハーシーズ、ユニリーバなどの欧米大手食品会社が採択している。

 

 後者の「EARTH MATERIAL CHALLENGE」では気候変動へのチャレンジを強調。2030年度までの目標として、直接排出量のScope1と電力等の間接排出量の同2合計で、30%削減(18年度比)するほか、自社のバリューチェーンでのScope3についても15%削減(同)とする。さらにこれらの削減目標については国際的イニシアティブの「Science Based Targets(SBT)」準拠を認定された。

 

日清食品の工場
日清食品の工場

 

 食べ残しの油汚れ等がついたインスタントラーメンの容器等を可燃ごみとする「ゴミ発電電力」を、今年3月から、同社東京本社の使用電力の50%に充当したほか、工場での省エネ化や太陽光パネルの設置等を推進する。「グリーン食材」の活用推進として、大豆たんぱくを主原料とした大豆ミートなど、植物代替肉の開発を進める。

 

 さらにカップヌードルの容器について、2019年12月からバイオマス度80%以上の「バイオマスECOカップ」に切り替えており、2021年度中に全量切り替えを完了する。従来のECOカップに比べ、1カップ当たりの石化由来プラスチック量を50%削減、ライフサイクル全体で排出するCO2量を16%削減できるとしている。

https://www.nissin.com/jp/news/8690