HOME11.CSR |仏高級ブランド「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」、コロナウイルス対策で、傘下の化粧品工場で手洗い用消毒液製造へ。病院等に無償で提供。日本のメーカーも見習って(RIEF) |

仏高級ブランド「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」、コロナウイルス対策で、傘下の化粧品工場で手洗い用消毒液製造へ。病院等に無償で提供。日本のメーカーも見習って(RIEF)

2020-03-16 14:33:44

LVMH1キャプチャ

  フランスの高級ブランドグループ「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」(LVMH)は15日、新型コロナウイルスの感染防止のため、手のアルコール消毒液を、傘下の香水・化粧品ブランド工場で製造し、病院等へ無料で提供すると発表した。日本は「モノづくり大国」を標ぼうしながら、マスクも消毒液も、いつまで立っても十分に製造できない。日本の化粧品会社やメーカーもLVMHを見習ってほしい。

 (写真は、LVMHのブランドの一つ、ゲランの香水。これを作る代わりに消毒液を作る)

 LVMHは、ルイビトンなクリスチャンディオールなどの分ランド服飾製品のほか、モエ、ヘネシーなどの高級飲料商品等をグローバルに展開している。世界中に工場を持つが、このうちクリスチャンディオール、ゲラン、ジバンシーの各ブランドのフランス国内にある化粧品工場で、手を消毒するための消毒液の生産を開始し、病院用に無償で提供すると発表した。消毒液の生産はまず一週間で12㌧以上生産し、その後も必要なだけ生産を継続する予定という。

 同社の会長兼CEOのBernard Arnault氏は16日、「LVMHはフランス国内での製品欠乏のリスクを防ぐために対応する。さらに多くの人々がコロナウイルスの感染拡大を防ぐための適正な行動を続けられるようにしたい」と声明を出した。

 現時点でフランス国内では消毒液が枯渇したわけではないが、今後の展開が予測できない中で、生産者は供給継続に緊張を迫られているという。LVMHの化粧品工場の転用宣言で、供給力が拡大することになる。フランス政府は手洗い消毒液の価格に上限を設定するほか、薬局等では一人一ボトルと販売制限を課しているところがある。

 日本では政府が「マスク等はもうすぐ市場に供給する」と何度も宣言しているが、薬局・コンビニ等には登場しないまま2か月が経過している。コロナウイルス懸念で仕事が中断したり、物が売れない企業等も続出するなどの景気への懸念は深刻化している。

 そうした中で、工場での製造製品をマスクや消毒液等のコロナ対策用品に転換することを支援することで、中小企業等の仕事を確保しながら、マスクや手洗い消毒液等を供給できる政策もとれるはずだ。政府が動かないなら、経団連が傘下の企業に声がけしてはどうか。

 https://www.thecut.com/2020/03/lvmh-directs-perfume-factories-to-make-hand-sanitizer.html